S総合病院は思っていたより遠かった・・・

駅から歩いて20分くらいかかるので家から計算したら1時間以上かかった気がする

 

でも、病院で受付してから待ち時間はほとんどなかった

 

 

そしてA先生は思っていたより若くてハキハキと喋る先生だった

 

私が診察室に入るなり笑顔で猛スピードのデッドボールを連投してくる

 

 

「こんにちはー、〇〇さんね、子宮筋腫ねー、どうしよっか。まぁその前に、

タバコ吸ってるの?(問診票に記入したのを見て)

まずはタバコ辞めるとこから始めようか!あれって害しかないから。体に悪いから。

何がそんなにいいのか俺はわからないけど。

女性として・・・っていうか、人として?絶対やめたほうが良いよ。」

 

 

大人になってからこんなにはっきり「ダメ」と言われたことが初めてだったので

ガードすることができなかった私は全球クリティカルヒットだった

 

 

そ、そうですよね、そう、わかってるんです・・・。

あ、でも電子なんで・・ヘビースモーカーじゃないんで・・

あ、いや、電子でもだめですよね、はい、すみません。人としてすみません。

 

 

ダメージを受けている私に全く気付くことなくデスクに向き直った先生はMRI映像を見ながら唸っていた。

 

 

「うーん・・これはね!たしかに迷うね。なんとも言えない。」

 

と苦笑い。

 

 

どうしても取らなきゃいけない位置にあるわけじゃないけど、

残しておいたら妊娠中のトラブルになる恐れがある。

でも、取るとなると手術になるから、やっぱり体への負担はあるしお金と時間がかかる・・

 

 

で、どうしたい?

僕も前の先生と同意見だよ。と言う先生

 

 

・・・・・

 

総合病院の医師2人がそう言うのだから、きっとそうなんだろう。

 

今すぐ取らなきゃいけないとか

取らなきゃ妊娠できないってものではないんだろう

 

手術するとしたらあくまでも出産のためのリスクヘッジだ

 

でも手術をしたって別のリスクは生まれるし体への負担はかかるしお金もかかる

 

もし私が今仕事に追われていて、キャリア形成の真っ最中だった場合、

「じゃあ今回も経過観察で・・」という選択をとるのもアリだし

一刻も早く妊娠したいと思ってる場合は、筋腫を無視して妊活するのもアリなんだろう。

 

 

 

そのどちらでもない私は

何を基準に決断をすればいいのかわからなかった

 

 

 

この時、色々先生と話した気がするんだけど

納得する言葉は先生から出てこなかったのであまり覚えていない

 

 

もういっそ、「今すぐ手術すべきですよ!」と言ってくれたほうが楽なのに。

患者としてはそのほうがずっと楽だ。

 

 

 

でも医者としては、

無症状ならば安易に手術を薦めることはできない。

でも、だからと言って見過ごせるような大きさではない。

判断は患者の意思を尊重する。

 

 

先生2人の、その葛藤は私にも伝わってきた。

そうせざるを得ないんだろう。

 

 

 

私が頭を抱えて黙っていると

 

 

 

「ちなみに俺は、再来週の水曜なら暇だよ」

 

 

 

軽くご飯でも。

と続けそうな勢いで手術日を提案してくる先生に思わず笑ってしまった。

 

「いいですね。やっちゃいましょうか。」と笑顔で返しそうになる。

 

 

 

今後の人生を大きく左右する決断なので

さすがに勢いでは決められず、結局この日は決められず、次回診察に持ち越しとなった。

 

 

 

情報がありふれたネット社会とはいえ、その答えは千差万別。

どこにも載っていない。

 

 

 

私のように、手術するかしないか、その判断をしなければいけない窮地に立たされた人たちは

みんな、どうやって決断しているんだろう?

 

 

 

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