side M
彼の家に向かう道を二人並んで歩く。
彼が前を向いて今日あった出来事などを話している。
僕は彼の方に目線を向けて、その横顔を見つめる。
横から見るとスッと通った鼻筋が際立つ。
綺麗な横顔だなぁ・・・
いつ見てもそう思う。
初めて出会った時から彼のこの横顔に惹かれた。
目が離せずにじっと見つめていると、
「そんなに見られたら顔に穴が空きそう。」
いつの間にか彼がこちらを向いて、おどけたように笑っていた。
「あっ、ごめん。
大祐さんの横顔は本当綺麗だなぁって、つい見惚れてた。」
彼に見られていた事にドキドキしてしまう。
「それは光栄なんだけど、そんなに見つめられるとな・・どうにかなってしまいそうだ。」
尚もふふっと笑う大祐さん。
「どうにかなるって?」
「ここで今すぐ真緒にキスしたくなるって事。」
今度は、いたずらっぽく僕の顔を下から覗き込む。
「えっ!あ、でもここじゃ・・」
僕は途端にボッと顔が赤くなってあたふたとしてしまう。
「さすがにここではできないよ。
だから、早く帰ろう。」
そんな僕を見て嬉しそうな大祐さん。
いつでも余裕があって、やっぱり大人なんだなぁと思う。
こういう所もずっと僕の憧れなんだ。
大祐さんの家に帰ってきた。
前を行く広い背中。
手を伸ばせばいつも守られているようで、頼もしいその背中が僕は大好きだ。
気付いたら大祐さんの後ろから抱きついていた。
「真緒?」
「ふふっ。大祐さんの背中、大きくて暖かくて好きだよ。
男らしくて憧れちゃう。」
更に力を込めてギュッとすると、
「背中だけ?
それも良いけど・・・」
腕を緩めて自分の方へ僕を向かせた。
「俺はこっちが良いな。
こうすれば真緒の顔が見えるから。」
大祐さんはニッコリと笑うと、唇にほんの少し触れるキスをして僕を胸に抱きしめる。
今度は大好きな大祐さんの胸の中。
彼の香りと胸の鼓動にキュンとする。
好きな人に抱きしめられると、どうしてこんなにときめいてしまうのだろう。
出会った時から大祐さんの大人の男らしさに憧れた。
それがいつしか恋心へと変わっていった。
優しく見つめる眼差し、包み込んでくれる力強い腕、触れ合う唇に胸の奥がキュッと甘く締め付けられるような感じ。
それらは全部恋だからなんだ。
きっとこれからも僕は大祐さんに憧れて、恋し続けていくのだろう。
「大祐さん」
「ん?」
「大好き。」
こんなにも大祐さんが好きなんだよという気持ちが溢れ出る。
すると、
「俺も、真緒が大好きだよ。」
大祐さんも蕩けるような笑顔で、僕に嬉しい言葉ともう一度甘いキスをくれた。
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こんばんは
前回の更新から1ヶ月以上経っていました💦
只今、子ども達と一緒の夏休み中でして。
時間があるようで何だかバタバタな毎日です。
何となく疲れやすくなっていて、癒しを求めたく久しぶりに二人の妄想話を。
癒しになっているかはわかりませんが、甘々な二人をイメージしました。
読んでいただき、ありがとうございました