どれだけ泣いたらこの涙が枯れるのか

どれだけ泣いたらこの悲しみが癒やされるのか


もう人生が終わりかけ終盤にさしかかってるのにわたしはまだ 

あの日のままなにも変わらなく

過ごしてる


わたしはずっとそばにいたかった

毎日同じ家で一緒に生きて

夜になれば帰ってきてくれて


たまにわたしの部屋をノックする

わたしを自分の部屋に呼んでくれて

いろんなかけがえのない話をした


そんな時間がずっとずっとずっと

続くんだと思ってた



大人になるって

男の子は男として生きて

女の子は女として生きて


そんなのなにも知らなかった



わたしたちはずっと永遠に

大人になんてならないと思ってた。

わたしたちはずっと

力を合わせて生きようとする

子どものままだと思ってた


わたしは大人になる準備なんて

なにもしてなかった


そんな未来ひとつも描いてこなかった



わたしは大人になった自分を

ちゃんと想像したこともなかった。


ずっと永遠にあなたと生きていたかった

あなたのそばで

あなたを愛し

あなたに愛され


兄弟ふたりで力を合わせて

あいつに勝つんだって


それがわたしたちの

一生の生き方なんだって

わたしは、勝つことを目指して


あなたとふたりで一緒に必要とし合う自分

ただそれだけをわたしの居場所だと

考えてたよ


いまはもう目標もなくて

何もなくて

なにもかもが悲しいだけで


あとはすべて終わり。

終わりに向かってただ終結していく


勝者のないゴール


そんな門をくぐりぬけるだけ


お兄ちゃん

わたしはあなたのそばにいることが

自分の人生だと信じて思い込んでいたよ


あなたがいなくなるなんて


親が歳を取るなんて



そんなの知らなかった


わたしもまた


うつろい過ぎてく時間と共に

歳をとり

大人になって

老いていく


それなのに


わたしはまだこうして

なにも変わらず

ひとりで生きてる


ただ勝ちのないゴールに向かって


よれよれと

歩いている