『ふぅ...』



いつもなら忙しい日はシャワーを浴びるだけだったけど...



今日は久々の長時間レッスン。



慣れてきたとはいえ、もともと体力のあまりない私にはやはりとてもキツいものだった。



疲れていた私はゆっくりしようと大きく息をついて、バスタブの中で思いっきり手足を伸ばした。






身体を優しく包み込むお湯が身体をポカポカと温めて、だんだん心地よくなってきた私の瞼はなんだか重たくなってきた。



お風呂で寝るのは良くないっていうけど...


寝なければいい話だから...



そう思って重たくなった瞼を閉じるとだんだんと眠たくなってきた。








ポタ...ポタ...ポタ...








ちゃんと閉めていない蛇口から水滴が落ちる音までも心地がよい。



まるで催眠術のよう。









足が吸い取られていくような感覚...それと同時に肩に冷たさを感じる。


うっすらと目を開くと足のあたり、いつの間にか排水溝の栓が抜けていたようで、ぐるぐるとお湯が渦巻いていた。


排水溝の栓を手に取って蓋をしようとしたとき、この排水溝に嫌なこと全部流されちゃったらいいのに...って、ふとこんなことを考えた。





けど...








ぐるぐるぐるぐる.....








どんどん私の身体は小さくなっていって、まるで洗濯機の中に入れられたかのように私の身体はバスタブの中でぐるぐると渦巻く。




そのまま暖かいお湯と共に私は排水溝へと吸い込まれていった。














目を開くと暖かいお湯が包み込む安心感があるもののあたりは真っ暗。
 

狭い下水管を滑って、どこまで行ってしまうんただろう...?


このまま川に出て海にでも向かっていくのかな...

 
そうやって新しい世界を見るのもいいけど...



そんな時ふと思い浮かんだ好きな人の顔。



理佐のお風呂に繋がってたら...

 

なんてね、














ぱっと目を覚ましたところは暖かいお湯の中。


もしかして夢だったのかな...


そう思ったのもつかの間、身体は小さいままで私の家のバスタブとは少し違う。





ここはどこ...?


川?海?プール?...それともどこかの家のバスタブの中...?






ジャージャー.....






そんな時、聞き覚えのある音が聞こえてきた。


これはシャワーの音!...ということはここは誰かの家のバスタブの中なのかな?




ブクブクブク.....




そんなことを呑気に考えていると私の身体はどんどん沈んでいった。
必死になって足掻くけど身体は沈んでいく一方で...
いやでも、私って水泳習ってたよね...4年間も...って違う違う、水泳は習ってたけど、結局蹴伸びしかできなかった...




私、泳げない...!!








『助け.....ぇ.....ブクブク...』




ジャボンッ.....




頭がボーッとしてきたとき、お湯が大きく波打った。



誰か入ってきた!?




助けて...お願い私に気づいて.....!!











ジャバッ.....




大きな音とともに私の身体は急に冷たさに包まれる。

多分ここはその人の手のひらの上なのだろう。
私は必死に息を整える。


助かった...




『プパっ.....ハァハァ.....ありが.....「おぜ?」


『え...?』



この声は...


そう思って顔を上げると目の前には私の大好きな人の大きな顔があった。



「おぜ...?...っておぜなわけないよね」


『理佐...?理佐なの?』


「え、おぜ...やっぱりおぜなの?なんでちっちゃくなっちゃったの?しかも裸ん坊だし」


『.......!!?』



そこで私はふと気づいた。


入溶剤で白く濁っているお湯で理佐の身体は見えないけど、よく考えると今の私って裸ん坊なんだった...


そう思うと一気に恥ずかしさが押し寄せてきた。







「ちっちゃいおぜもかわいい、食べちゃいたい」






その声が聞こえてきたかと思うと理佐の大きく開かれた口が目の前にあった。




『え、ちょっ...理佐...!?』





思わずギュッと目をつぶるとぐるぐると身体が回転しているような感覚に襲われた。















『...っ寒...』



ぱっと目を覚ましたところは紛れもなく私の家のバスタブの中。


お風呂の栓を見てみたけど、きっちりと閉まっていてどこもおかしな所はなかった



なーんだ、夢だったのか...



確かにあんなこと起こるわけないし ね



まぁでも夢でよかった



それにしても変な夢だったなぁ













──次の日




「お〜ぜ〜!」


私が楽屋に入るなり抱きついてきた理佐。



「ねぇ、昨日ね変な夢見たの」

『どんなの?』

「なんか、お風呂でね、妖精さんに出会う夢!」

『えー、何それ〜』

「しかもその妖精がおぜそっくりだったの!変でしょ〜」

『変だね〜』



これは偶然なのかな...



それとも...




あれは本当に夢だったのかな...




ありえないことなぜか起きるから人生退屈しないんだ




だって入浴中穴に吸い込まれるなんて...




不思議な体験




バスルームトラベル







─END─




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初めて欅坂46の歌詞に沿って書いてみました!




全握のMCから思いつきました☺️





最後まで書ききったはずが途中から保存されてなくて書き直していたため投稿が遅くなりました...🙇💦




もも🍑