mimikaが、今年の2月路上で出会った1人のフランス人からの口コミで、フランスのメディアで、いくつか取り上げられています。


今まで、日本語に訳す事が出来ず、発表を差し控えていましたが、日本語訳が出来ましたので、1つだけ発表させて頂きます。


フランス人から見た、日本のポップスシーンの事なので、間違った情報も含まれていると思いますが、あえて、そのまま載せます。


<フランス語の記事はこちら>
http://www.orient-extreme.net/index.php?menu=musique&sub=critiques&article=738

Orient-Extrême CD review



MIMIKA - まるごとみみか



ちょっぴりのマジックと、いっぱいのファンタジーで、mimikaがみんなの生活を彩ってくれる!日本の女性ポップシンガーたちの時代にそろそろかげりが見えはじめた今、 21歳、乗りに乗った彼女が、5曲入りミニアルバム「まるごとみみか」を引っさげて、渋谷の AtoNO Records からデビューする。子供っぽい身振りと甘酸っぱくてポップな声、そして目も眩むばかりの超カワイイ音楽。mimika は14,5歳の思春期アイドルたちのように歌いはしゃぐ。彼女の初 CDは、そろそろ白いものが混じり始めたavex trax とつんく(ハロー!プロジェクトのプロデューサー)が幅を利かせている"アイドル系 J-pop"の世界に、一陣のさわやかな風を吹かせる。



小さくてもやる気満々のmimikaは、マイクとアンプをしょって日本中を駆け巡り、肌を刺す冬の夜空もものともせず、野次馬相手に 100円のデモCDを売りながら知名度 UPに奔走した。恐ろしく詰め込まれた生活リズムを送っている一般サラリーマンたちに、笑顔と元気を与えてくれるキュートな歌手があっという間に注目を集める。そう、元気なら、mimika はまだまだ売るほど持っている!



mimikaは歌うのが大好き!



そんなやる気とカラオケボックススターの勢いで、mimikaはこのジャンルで近年最も成功した大塚愛、ミニモニ、 dicotといった人々に名を連ねる。いまやダイナマイトのような彼女をもう誰も無視できない。とはいえ、彼女は全力を尽くして、斜陽に向かっているカワイイ系J-pop の息を吹き返させようとするものの、この市場はそれほどには活力を取り戻していない。日本人はこのジャンルにそろそろ飽き始めているのだ。流行が変わり、一番の顧客である女子高生たちですら、次々とボーイズバンドや韓国のバンドのほうに目を向け出している。mimikaはこうした厳しい状況の中を何とか潜り抜けようと奮闘する。そんな中 AtoNOプロダクションは、彼女の商業的な可能性を試すため、大きなリスクは回避しつつ、《公式》初CD としてピリッとしまったミニアルバムを2007年3月 9日に発売することを決定した。しかし、メジャーのavexほどには資本力のないAtoNO のプロモーションがそこまで大々的なものにはならないのは否定できない事実でもある⋯



ではそのミニアルバム、どんな内容だろう?基本的には特に新鮮なものも独特なものもない。歯の浮くような甘い歌詞に日本では特に珍しくない軽い声、歌唱力にも限界がある⋯ 

ところが音楽は実に魅力的で、すばらしく効果的な伴奏(きわめてシンプル、しかも恐ろしく低予算)にあわせてmimika が織り込む楽しく自然でダイナミックな雰囲気は、似たり寄ったりの内容や歌の不器用さを忘れさせ、しまいにはそうした欠点をも好きにさせてしまう!彼女の歌はおいしいキャンディーのようだ。あたかも彼女が何でもこなすのを証明するかのごとく、電子音楽系のジャンルを巧みに取り込みながら、それぞれの曲は違った楽器で違った音を聴かせてくれる。浜崎あゆみ、 倖田來未、BoAといった偉大な歌手たちにならって、mimika もさまざまなものに少しずつ手を出している。ロックギターのリフや、ヒップホップのスクラッチ(mihimaru GTやAAA を筆頭に今や大流行)を混ぜながら、大先輩の大塚愛やミニモニおよびその周辺と瓜二つにはならないよう注意をしつつ、彼女独自のポップスを作っていく。特にこの初CD「まるごとみみか」の5 曲において、自分の限界(もちろんその境界線は徐々に押し広げられていくことだろう)を十分に意識しながらも、どの曲でもセンスよく自分の音楽を作っているところに、彼女の力がはっきりと現れている。



第1曲目「どどどんまいっ」は大塚愛の「Smily 」に近いスタイルを持った上出来のポップスで、主旋律と主旋律の間をバックに流れる宇宙人的な電子音が見事につないでいる。すべてがてきぱきと効率よく進む曲だ。続く「Let's hitori party 」では太鼓、金管楽器に80年代ゲームセンターのシューティングゲームの音を混ぜ合わせたファンファーレで曲がスタートする⋯ビデオゲームのビップ音にトランペット、シンセ、パーカッションなどいろんなものが混ぜ合わされた伴奏は、ちょっとしたサーカス版ミニモニといった雰囲気⋯ところがこの人工的な幸福感に満たされた音楽がめちゃくちゃカワイイ。 mimikaは歌の中で時に音をはずすが、これが逆に曲の全体を楽しくし、リフレインがいつまでも頭の中にこだまする⋯それはあまりに見事で頭がくらくら来る。つまりはぶっ飛んでるってことだ。3 曲目にはエレキギターが唸りを上げるずっとロックな「ターボ」が入っている。このジャンルでは、dicotが「超 Gals!」のオープニングに作った「ア ★イ★ ツ」を思い出させる曲だ。聴いているとリフレインのリズムにあわせてこぶしを突き上げずにはいられない、恐ろしいほど効果的なメロディーだ。さらに、2000 年代に大いにJ-popでもてはやされたあのハードロックソロギター(浜崎あゆみが多用していた)が、ここでは驚くほどの説得力と適切なタイミングで披露される。スピーディーな曲が3 曲続いた後には、「くっつきんぼ」で軽く中程度にスピードダウン。mihimaru GTや浜崎あゆみの「 Startin'」に近いヒップホップ系スクラッチだ。ジャジーなピアノに鐘の音⋯「くっつきんぼ」はシンプルにとことん心地がいい。おそらくこのCD中一番印象の弱い曲だが、その場所にある価値を十分に持っている。ピアノによるバラード「 romance car」を最後にもってきたmimikaは、エネルギッシュなポップスばかりが能じゃないことを見せてくれる。小さな声帯域(彼女の歌は低音や高音を無理に出そうとすると音が外れてしまう)にもかかわらず、彼女は繊細かつ感動的な歌をやさしさをこめて見事に歌い上げる⋯そう、 mimikaはたいしたものが何もない中で小さな奇跡を起こす。たとえ正確な音程がふらつこうとも、ちょっとしたピアノやアコーデオンシンセの調べだけで、彼女の声は聴くものを魅了してしまう。今後が本当に楽しみな存在だ。



「まるごとみみか」は"盛りだくさん"なCDだ。爽快で、楽しく、漫画チックで、くらくらさせる、素敵な細工がちりばめられてて、あらゆる面で効率のいい、絶妙なリズム変化にまったく無駄な部分がなくて、最後のバラードでは感動にまでいざなってくれる。それは微笑を促し、笑いも誘う。このジャンルが好きな人は「まるごとみみか」を何度も繰り返し聴くことになること請け合いだ。これ以上何を J-pop系のCD制作に求めることがあるだろう。しかも、このミニアルバム中最もダイナミックな何曲かはアニメのオープニングにばっちりマッチしそうである。スターシステムを夢見るものや、オリコンで上位を目指すものは、テレビ業界は避けて通れない登竜門。 mimikaはまだまだ全国区のメディアには出てきていないし、一般大衆にも未知の存在だ。あるいはそのあたりが人気爆発のきっかけになるかもしれない。彼女は毎日自分のブログ内で自己PR を更新しながら、時が来るのを辛抱強く待ち続ける。その中のいくつかのビデオには、カルト的な人気さえ博しそうなものまである。さあ、ブログを覗いて⋯そしてCDを買いに行こう。

次回作が待ち遠しい!



ピエール‐イブ トナン 、エリック ウードレ



発売: 2007年3 月9日

リファレンス番号: ATNR-45

オフィシャルサイト: www.atono.co.jp



曲目:

01‐どどどんまいっ

02‐Let's hitori party

03‐ターボ

04‐くっつきんぼ

05‐romance car



Visuels © mimika


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