いわゆる「愛され奥さま」という系統の女性がいますね。
ブログなどで外部に向かって
「私のうちはこんなに幸せです」とアピールする方たちのことです。
こんなお料理をつくりました。
夫がこんなに喜んでくれました。
愛されている私。
頑張ってる私。
幸せな私。
その方たちのご主人が喜び、
家庭が円満なのは大変良いことだと思います。
思いますが、とある女性の心のつぶやきを読んで、
ブログに出ない部分ではそんなに
幸せなことばかりでもないのかもしれないな、と思いました。
その方は大好きなご主人のために、常に
”素直で、気が利いて、かわいい女性”
でいるよう心掛けているそうです。
笑顔を絶やさず、少しの失敗にはめをつぶり、
してもらったことは小さなことでも感謝する。
女性らしくふるまうために、大口をあけて笑ったり、
アグラをかく、オナラするなんてことはもっての他。
努力の甲斐あってご主人はいつもニコニコ機嫌よく、
家庭も円満です。
自分が信じて実践した著書(数々の恋愛マニュアル)の
効果に満足しているし、過去の自分と同じような悩みをもつ人を
見つけるとほっておけなくて熱心にアドバイスしたりもする。
ただ、ときどきフっと寂しさや虚しさを感じてしまうそうなんです。
その原因を
本当の自分は頑固で、気も効かず、可愛げもなく
男まさりで感情のアップダウンも激しい性格なのに、
夫の前でネコかぶっているからだと思う。
とおしゃっていました。
ご主人は何度も繰り返し
「○○ちゃんは本当に素直だし、可愛いし気の利く素敵な女性だよね~!♥♥」
と褒めてくれるし、
宝物のように大切に優しく取り扱ってくださいます。
それなのに、だんだんと心から喜ぶことができなくなっている
自分に気付いてしまった とおっしゃるのです。
でも本当の自分を見せたら彼はガッカリして
離れていってしまうかもしれない。
それでは彼に申し訳ないし、自分も悲しい。
だから、ずっと一生、頑張っていくしかないのだ・・・
と、ご自分に言い聞かせておられました。
恋愛マニュアルなどに頼らず、
ありのままの自分を出していた頃の自分は、
たくさん失敗もしたけれど、
今よりずっと自分らしくイキイキと生きていた気がする、とも。
これを読んでる皆さんは、パートナーの前で本当の自分を
見せていますか?
自信をもって「YES!」と答えられる方はきっと
青空のようにスッキリ澄み切った、健全な心の持ち主なんだと
思います。
お互いの無知で傷つけあって、
それでもお互いを許しあって、
いやし合いながら過酷な時の流れにいっしょにたちむかっていくのが愛というもので、
無傷なツルンとした愛などは「愛」の名に値しないと思います。
by 中島らも