今回の震災において被害に遭われたすべての皆様のご無事を心よりお祈り申し上げます。
私的な思いをブログで書いていいのか?迷いましたが、
少しでも思いが伝わって、より良い方向に事態が進めばと思い書かせていただきます。
私は以前にスウェーデンハウスという輸入住宅に勤めていました。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、坪単価100万円以上する輸入住宅です。
その会社で尊敬する設計次長が居ました。
パースも手書きで‘サッ’と書き、お客様へのプレゼンも
綺麗な言葉を使える頼もしい設計士です。
その設計次長から直々に実家の担当を頼まれました。
すごく光栄な事だったんですが、建築施工エリア外で都市銀行の住宅ローンも
組めない場所でした。
それが岩手県下閉伊郡山田町。
設計次長と弟さん、2人でお金を出して漁村の町に
スウェーデンハウスを建てるのが、ご両親へのプレゼントでした。
しかし岩手でスウェーデンハウスを施工できる工務店さんは一ノ関にしかありません。
結局、職人さん達を近くの民宿で泊ってもらう事になりました。約4ヶ月間ですから、かなり予算オーバーです。
その他、地盤改良工事や塩害処理で、担当としては、非常に苦慮した思い出があります。
それでも業者さんからの好意で、無事に予算内におさめる事ができ
“漁村に真っ赤なスウェーデンハウスPJ”がスタートしました。
担当として、現場調査~地鎮祭~上棟式~竣工検査~鍵のお引渡し
などで山田町に行かせてもらい
とても海がきれいで、のんびりした時間が流れる町だった印象があります。
近隣挨拶の際には、どんな家が建つのか?興味深々で聞かれた事を思い出します。
いろいろな方の努力の末、無事に山田町にスウェーデンハウスが竣工しました。
30数坪の使い勝手の良い間取りです。
ご両親の本当に嬉しそうな笑顔が忘れられません。
設計次長も嬉しそうに、お母さんへ設備の説明をしていました。
その山田町に今回の震災が襲っています。
正直、ご両親の安否は分かっていません。
テレビを見るたびに、山田町の状況が一番気になります。
無力な自分に悔しい気持ちでいっぱいです。
山田町に建てたスウェーデンハウスの外壁はベンガラ色です。
地元スウェーデンではベンガラ色は銅山から取れる土が色のルーツです。
スウェーデン人が外壁にベンガラ色を塗る理由は『太陽=神様』へ感謝の意味があるからです。
もし神様がいるならば、ご両親へのご慈悲をお願い致します。
※長文失礼致しました。 内田賢一