きょうのクラスで「アントルシャ」についてのご質問を頂きました。
レッスンや踊りの中では「アントルシャ・カトル」が一番よく出てきますね
アントルシャ(仏:entrechat)とは小さな跳躍の間に脚を打ち合わせる動きを意味します。
ちなみに打つ場所は足首
ではなく両脚のふくらはぎのあたりです。(失敗してくるぶしを打ちつけてしまった経験、ありますよね
)上手な男性ダンサーなどは、内腿のあたりまで綺麗に打ち合わせています
ではなく両脚のふくらはぎのあたりです。(失敗してくるぶしを打ちつけてしまった経験、ありますよね
)上手な男性ダンサーなどは、内腿のあたりまで綺麗に打ち合わせています
きょうのレッスンではアントルシャ・ロワイヤル、アントルシャ・トロワ、アントルシャ・カトル、アントルシャ・サンクと、盛りだくさんでやってみました。
ロワイヤル(仏:royale)を除いて、トロワ(仏:trois =数字の3)、カトル(仏:quatre =数字の4)、サンク(仏:cinq =数字の5)の順に数が増えていきます。
このうちアントルシャ・ロワイヤル、カトルは両足で跳んで両足で降ります。
それに対してアントルシャ・トロワとサンクは両足で跳んで片足で降ります。
アントルシャ・ロワイヤルはシャンジュマン・バッチュ(仏:changement battu)と呼ばれることもあります。こちらのほうがイメージしやすいかもしれませんね。シャンジュマンでは両脚を入れ替えるだけですが、ロワイヤルではまず両脚を打ち合わせてから脚の前後を入れ替えることになります。右足前の5番から跳んだら、右足前のまま両脚を打ち合わせてから前後を入れ替えて左足前の5番で降ります。
ちなみになぜ「ロワイヤル=国王の、王にふさわしい」という名称がついているのでしょうか?定説はないようですが、アントルシャ・カトルよりもシンプルな形態のロワイヤルを“洗練された高貴な踊り”、つまり「王にふさわしい」と呼んだことが始まりかもしれないという説もあるそうです。面白いですね
アントルシャの数え方ですが、5番で踏み切った足を空中で1番に開いたところから数えます。右足前の5番で説明すると、両足で踏み切ったあと空中で
①両脚が1番に開く
②足を入れ替えて左足前の5番
③戻ってくる時にまた1番を通る
④元の右足前の5番に降りる
これでアントルシャ・カトルの出来上がり
さらに④で降りないで
⑤もう一度両脚が1番に開く
⑥足を交換して左足前の5番に降りる
ここまでやるとアントルシャ・シス(仏:six 数字の6)となります。男性の踊りにはよく出てきますね
これに対して、両足→片足のアントルシャ・トロワ、サンクについては5番で踏み切った両脚を打ち合わせたところから数えます。また右足前の5番を例にとると、両足で踏み切ったあと空中で
①右足前の5番で両脚を打ち合わせる
②両脚を1番に開いて
③右足を後ろのクペにしながら左足で降りる
これでアントルシャ・トロワです
サンクの場合は
①右足前の5番で両脚を打ち合わせる
②両脚を1番に開いて
③足を交換して右足後ろの5番に入れ替える
④戻ってくる時にまた1番を通る
⑤左足を後ろのクペにしながら右足で降りる
となります。
トロワ、サンクについては後ろで脚を打ち合わせてから前のクペに降りる場合もありますね。
数え方は少しややこしいですが、大事なポイントは「空中で1番を通る」というところですね
1番の形を意識することで、足が前後にバタ足状態になることがぐんと減ると思います
そしてアントルシャを行う際はしっかり膝もつま先も伸ばした両脚を均等に打ち合わせることも意識してみましょう
ぜひ参考になさってくださいね

〈参考文献〉
赤尾雄人『バレエテクニックのすべて』(新書館)
アグリッピナ・ワガノワ『ワガノワのバレエ・レッスン』(新書館)

