最近読んだ本をご紹介します。
2009年にパリ・オペラ座のエトワールを引退したマニュエル・ルグリ。彼の学校時代からの軌跡を振り返った読み応えたっぷりの本でした。たくさんの写真、共演者からのメッセージ、またルグリ自身の言葉も散りばめられています。
そのなかで私が印象的だった箇所です。
「いまの若い世代になにか助言をするとしたら、頭だけで考えておらずにもっと深くレッスンに打ち込んでほしいです。練習に打ち込むダンサーが少なくなってきていると思えるのです。日常生活が変化して多忙になりすぎているからだとは思いますが、オペラ座バレエのような大カンパニーでキャリアを築くには、まず自分自身に対して厳格でなければなりません。なぜ自分が踊っているかを知り、舞台で踊る喜び、ダンサーであることの喜びに感謝し、瑣末な問題を気にせず、いつもオープンで、さまざまな出会いを愉しむことを心がけてほしいです」(p.102)
もう若くもなく
オペラ座のダンサーでもありませんが
とても大事なことだなぁと感じました。
慌ただしい日々、バレエに限らず“出来ない理由”なんていくらでも見つけられます。それでも自分のやるべき事に没頭し、感謝し、そして愉しむこと。忘れないようにしたいです
以前、オペラ座ダンサーのクラスレッスンを見学する機会がありました。どんな若手よりも真剣に、そして丁寧にレッスンに取り組んでいたのがルグリでした。
発表会などに出演してくださるゲストダンサーも、舞台袖で地味でしんどいバットマン・フォンデュを何度も繰り返していたりします。
忙しい毎日。バレエを踊れる時間を大切に
レッスンは楽しく、でも集中して真剣に
少しでもそんな素敵な姿に近づきたいものですね
