ようやく、人工呼吸器を外す日がきた。
先生から「ミーコさん、いまからね、人工呼吸器を外すからね」と言われた時、先生の予想外に首を横に振った。
「え??いやなの??」
うなずく。(うん。いや)
「なんでっ!?苦しいんだよ!?苦しいでしょう??外したくないの???楽になるんだよ!」
と強めの口調でベッドの柵に両手をかけて身を乗り出して、先生が私に向かって言っていた。
この時の光景はよく覚えている。
なぜ、嫌がったのか、、、たぶん、人工呼吸器を触られる事に恐怖心があったように思う。
吸引がくるしすぎて、もうこれ以上私に触らないで!!って思っていた。
何度か、先生が「楽になるよ!外そうね!」と説得してくれた。
結果的、納得し、「じゃぁ、外すからねーー!」と言われ、その瞬間、看護師さんが私の頭の方へ回って
やさしく両手で顔を包むような形で手を添えて、少しだけ顎を上に向けられたような気がする。
ものすごい明るかった、白っぽい光がまぶしいと思っていた。
「はい!抜きますよーー大丈夫だからねーーがんばってーー」
けぽっ!・・・→本当にこんな感じだった。思っていたより、すんなり抜けた^^;
「はい。抜けたよ^^」
呼吸器を抜いた瞬間、ベッドの周りにグルッと先生、看護師さんが取り囲んで一斉に私の顔を心配そうにじーーーっとみていた。
本当にただ、何もいわず、顔を覗き込んでいた。
こんなに、先生いたの?思っていたよりはるかに沢山の先生や看護師さんがいた事にびっくりした。
これは、呼吸器を抜いて自然呼吸がちゃんと出来ているかを確認していたらしい。
呼吸器を抜くという事は一旦、「今、死んじゃうかも!」という緊急の状況は一段落したという事でEICUからの卒業を意味していた。
エマージェンシーIUC。。なるほど、緊急事態からは脱出したってことか。
「今から術後どうなってるか、MRIとるからね」と言われ、若干閉所恐怖症の私は「怖い。。」といったように思う。
ずっと、呼吸器をいれていたから声がほとんど出なかった。カッスカスの声だった。
すると、先生が「じゃ、ちょっと眠りながらやってもらおうね」と優しく言ってくれた。
実際にMRI室に入った後、ほとんと記憶がないが、おそらくもうあと少しで終わるってとこで
麻酔?がきれたとき、その先生が「ミーコさんあと少しだよ!がんばって!もう終わるからね!」と両手をずっと握っていてくれた。
その時の先生の手の温かさは今でも覚えている。この先生は、私と読み方が違うが同じ苗字で、主人に私が心肺停止になったとき
電話をしてくれた先生だった。
私は本当に優しい先生と看護師さんに見守られて幸せなICU生活を送ったと思う。
そして、無事にMRI検査が終わりこの日を境にEICUを卒業し、夫の到着を待って、個室の一般病棟に移った。
倒れてから2週間が過ぎていた。