手術をしてから二日後
相変わらず意識が戻らない私に、夫はその日も
「今日は、なんの写真もって行こうかな」と考えていたらしい。
意識はないけど、なにか思い出になりそうな写真とか持っていけば
うっすら空いている左目から見えているんじゃないかと思っていたらしい。
そろそろ、家を出ようとした時、携帯が鳴った。
病院からだった。嫌な予感をしながら電話に出た夫。
「ご主人ですか?先ほど、奥さんの心臓が停止しました。」
、、とこの言葉を聞いた時点で、夫は大パニック。
号泣しながら「助けてください!助けてください!」と叫んだそうな。。
夫曰く「あの時の俺は「世界の中心で愛を叫ぶ」あれだよ、あれ!」といっていた。
先生から「ご主人!落ち着いて!大丈夫!奥さんの心拍は今は再開しています。
今、お伝えしたいのは今後脈拍が50を切った自動的にサポートするように
ペースメーカーの手術の同意をすぐに取りたいのでお電話しました」
「ペースメーカーは胸に埋め込むんじゃなくて外付けでやりますからね!」
その言葉を聞いて、とりあえず電話を切り、病院に向かった。
病院に到着すると、横たわっている私の姿をみて、「あれ、、昨日より人口呼吸器小さくなってる」
「外付けのペースメーカってこれのことか。。」鎖骨下静脈に管がでていてそこからペースメーカーにつながっていたらしい。
(今はこんなんで出来るんだ。。)
電話口であまりの取り乱し様に心配した先生が「さっきは驚かしてすみませんでした。最初にちゃんと
心拍が再開して大丈夫っていうところから、ご説明すればよかったですね」と若い先生が謝られたらしい。
先生から「今回の心拍停止の件は、脳自体の原因なのか、鎮静剤が関係しているのか原因を究明しています・
その為に、まずは鎮静剤の分量をコントロールしています。おそらく、鎮静剤が原因ではないかと思います」
この日もひたすら、私の手を握り続けてくれた夫に、後のこの話を聞いたとき
心の底から、こんなに心配かけて、どんな気持ちで手を握っていたのかと思うと思い出す度に、胸が痛んだ。