午後5時半、オープンを待っていたかのようにドヤドヤと入ってきた、
日本人熟女6人組。(*゚ー゚*)
こんなに大人数の日本人熟女をいっぺんに見るのは、めずらしい。
綾小路きみまろのライブでも始まるのか??
彼女たちの一人が、席につくなり私にこう言った。
ねえ、○○さんって、知ってるでしょ? ここの常連さん。(o^-')b
と、よくある日本人の苗字を挙げた。
はあ、えーと。(;^_^A
私はもともと、人の名前をなかなか覚えないタチだ。が、数多くない、日本人の常連客となれば話は別なのだが。
ほら、こんなで、こーんな感じの男の人よ。ヽ(゜▽、゜)ノ
別の女性客が手振りもつけて説明した。彼女が、頭頂部に手をやった、ハゲ、というジェスチャーで、ようやく思い出した。orz
私達、○○さんの紹介で来たの。o(^-^)o
あ、そうですか。(;^_^A
かなり特徴ある風貌を教えてもらわなければ分からないようでは、すでに常連といえるレベルではないのだが。
しかし、彼女たちのおかげで、何度か見たことがある、ちょびヒゲにすだれハゲの日本人男性客の名前が分かった。
でね、彼に聞いたのだけど、この店、メニューに載っていないスペシャルがあるんだってね。(^∇^)
ぶっちゃけ言わせてもらえば、アメリカのすし屋には、客の数だけスペシャルがあると言っても過言ではない。
今やっと、顔と名前が一致した客のスペシャルメニューなんて、分かるわけないので、黙って聞いていた。
というか、彼女たちは、私に問いかけているようでいて、実際は、ただ一方的にしゃべり続けている。orz
ちらしよ、ちらし寿司。メニューにないんでしょ? 私達、今日は遠くからわざわざ、それを食べに来たの。o(^▽^)o
そうそう、○○さんに言われたの。オーダーするときに○○さんの名前を出さないと作ってもらえないから、って。(o^-')b
メニューにちらしを載せないのは、アメリカ人は知らないことがあるとすぐに、注文する気もないのに
ねえねえ、これってなあに?
と尋ね、注文する気もないのに、
何と何が乗ってるの?
と、すべての具を言わされ、万が一、注文してみようと思ったとしても、
え、ボク、それキライなんだよね。
と、他の具に代えるように迫り、最悪の場合、
具は全部サーモンに代えろ。
と、脅すからで、日本人客が来て、ちらしが食べたいと言えば、いつでも作る準備はあるのだ。
けっして、特別、○○さんだけにお出しするわけではないのだが、ご本人も熟女たちも、そう思い込んでいるので、そのままにしておくのが、みんなのためのようだ。
で、めでたく日本人熟女たちの前に○○さんスペシャルのちらし寿司が並んだ。
店はオープンしてまだ数十分。客は彼女たち以外誰もいない。店内を彼女たちの歓声が響き渡る。
すごーい。
さすが、○○さん!
スペシャルねー。
特別なのよー。
さすがねー。
他に客もいないので、彼女たちをあまり無視するわけにもいかず、ヘラヘラと彼女たちの感動に付き合っていた。
早く他の客、こないかなー。間がもたねーよ。
ヘンなアメリカ人客が来て、妙な質問攻めで私を独り占めにしてくれないかなー。
お茶を差し替えながら、そんなことを考えていたら、願いが叶ったのか、アメリカ人カップルが入ってきた。
熟女軍団から解放されたせいか、いつもより、優しく丁寧に接していたら、アメ人客、調子に乗ったのか、あれこれしつこく質問してくる。
神様って、バカ正直だ。orz
さんざん悩んだ末、彼らは、ありきたりなスシロールを数種類注文した。
そして、ちょっと熟女のテーブルもかまってやろうか、と向かったとき、
アメ人カップルテーブルの男が手を上げて、私を呼んだ。
あのこれ、食べられないから、返すよ。(-""-;)
返された皿を見てみれば、半分近く食べたあとだ。
あの、半分くらい食べたように見えますが…。(;^_^A
女が口を出した。
これキライ。がんばって食べたけど、もう食べられないわ。だから、もって帰って!(゙ `-´)/
英語ってむずかしい。Please take them back. とは、
これ下げて。まずくて食えなかったんだから、お金は払わないわよ。の意である。
神様って、いじわるだ。orz
それとも、妙なことをお願いした罰なのか。