ほんとかウソか知らないが、
アメリカ人には、ありとあらゆる種類の食べ物に関するアレルギーを持つ人がいる。
ハマチの血合いアレルギー
青いトマトアレルギー
油アレルギー
ピーマンアレルギー
砂糖アレルギー
およそ考えられるすべての食材に対するアレルギーを、今まで耳にしてきた気がする。
スシバーに座り、
魚のアレルギーなので、私のオーダーを作るシェフには、よく手を洗うように言って、まな板も包丁も魚を切るのとは別のものを使ってほしい。
と、言われたこともあるし、
エビのアレルギーなので、ボクの野菜のテンプラは、エビを揚げるのとは別の油をつかってほしい。
と、頼まれたこともある。
最近では、日本茶のアレルギーだと言われようが、テリヤキソースのアレルギーだ、と言われようが、びくともしなくなったが、それでも、まだまだ、私にとって未知のアレルギーは存在したようだ。
私の働く日本食レストラン。やってくるほとんどの客の目的はスシ。
入ってきたときから、ベタベタくっついていたカップル。案の定、奥まったテーブルを指定した。彼らの目的もスシ。
しばらくして、オーダーを取りにいくと、男性客の方が私に尋ねた。
ボク、ちょっとしたアレルギーがあるのだけど。(・・。)ゞ
はいはい。どんな? 分かれば、シェフにあらかじめ取り除くように言いますよ。(;^_^A
慣れたもんだ。どうせ、キューリが嫌とか、海苔が嫌いとか言うのだろう、と、軽く返事をした。
すると彼、
ボクは酢のアレルギーなんだ。(・∀・)
……。(゚ー゚;
酢?
酢のアレルギーって…。日本食レストランで使われる酢は、ほとんど米酢。アメリカの酢はいったい何から出来ているんだろう。そういや、酢って、いろんなものから作るよな。その元になるものがいけないのか、それとも、すべての種類の酢に共通するなにかがいけないのか…。
頭のなかは大混乱。なのに、彼はさらに私を混乱させる。
スシライスは、米をベタベタさせるために、酢を使うだろ? 酢を使わないでスティッキーライスを作って欲しいんだ。(°∀°)b
えと…。orz
彼はいくつか勘違いをしている。
米というのはすべて、アメリカにある、さらさらした長粒米だと思い込んでいる。
それをスティッキー(べたべた)にするために、酢を使っていると信じ込んでいる。
当然、日本のもちもちした短粒米の存在を知らない。
そして多分、ふつうのご飯と、酢飯の味の違いが分からない。
この手の勘違いをしているアメリカ人には、ニューオリンズ時代、何度かお目にかかったことがあるが、
これほど日本食が浸透したLAにも、まだこんな人種が存在したのか…。
えと…、それはちょっとシェフに聞いてみないと…。(;^_^A
さっき、二つ返事で受けた威勢はどこへやら。かなり弱気になった、というか脱力した私。
雲行きがあやしくなってきたのを感じ取った彼は、ダメ押しする。
でもね、どこのレストランでもやってくれるよ。酢を使わないでスティッキーライスを作ってくれる。(o^-')b
どこのレストランか知らないが、サーバーは、
いったいどんな説明してんだよ。(-_-メ
こんなヘンテコリンな客を送り込んだ責任とってくれ。
仕方ないので、酢飯に対する誤解を解いて、そして、
ふつうの白いご飯でスシを作ってもらうことにした。
そして、しばらくたってスシバーへ、
すみません。あそこのお客さんのヘンなオーダーですが…、(;^_^A
と、確認に行くと、
あそこじゃわからんよ。どのテーブルのオーダーもヘンなんだから。
(゙ `-´)/
という答えが返ってきた。
確かにね。