「こうあるべき」とか「〇〇べき」を使う人は、思考が固く融通がききません。私の職場にも数名いました。

 

私は組織で働いていたとき、それまでのルールや手順を変えることがあり、全社員に通知してスムーズに移行してもらう管理の担当をしていたことがあります。

 

ネットで通知したり、何回かに分けて説明会を実施するのですが、今までのやり方を変えることに必ず抵抗する人が現れるんです。

 

だから私は、あらかじめ反対しそうな人には事前に個別で説明していました。手間だけど、そうしなければ説明会が予定通りに終わらず、時間延長になったり説明不足になって他の参加者にとって時間の無駄になるからです。

 

その曲者(笑)が誰なのか。見分けるコツがあります。

 

日頃から「べき論」で話をするかどうかです。

 

そういう人は変化に対して柔軟ではなく、防御の姿勢をとり、最初は拒絶から始まります。真面目な人が多いですね。

 

人間は変化を嫌うものです。それは人間の進化の過程で、新しいものに挑戦することは危険を伴うからです。

 

まだ誰も食べたことがないキノコを食べて、もしそれが毒キノコだったら死んでしまいますよね。誰かが勇気を出して食べてみて大丈夫だったら、他の人も手を出します。

 

新しい物事にすぐに飛びつく人間は、進化の過程で淘汰されてしまって、用心深い性質の遺伝子を持った人間が生き残ってきた歴史があるからです。だから今までと同じが良いと思うのは仕方がないことです。

 

でも物事に変化はつきものです。あまりにも自分の考えにしがみついて、変化や他の考えを否定するのは、生き難くなって自分で自分を苦しめてしまいます。

 

 

最近偶然観たビデオが凄かった。アメリカでは、ここまで意識が変化しているんだと驚かされました。

 

アメリカのコメディアン、ティグ・ノタロの人生をベースにしたブラック・コメディーです。

ティグ・ノタロって知ってました? 私は知りませんでした。

 

まずキャラクターが異色。

 

「レズビアン界のトム・クルーズ」といわれているそうで、何も知らずに観ていたので、フィクションなのかと思ったら、本人がプロデュース・主演までしていたんです。

 

乳がんで両乳房全摘手術して、術後まもなく感染症で死にかけ、何度もトイレに駆け込まないといけないほどお腹の調子も悪い中、今度は母親が事故で亡くなります。それが数か月の間に起こっているんです。

 

ずっと観ていくと、不幸はそれだけじゃないんですね。でも普通は暗くなりそうな出来事を、彼女は淡々と受け入れ、それを取り巻く人たちとの人間模様も面白い。

 

このビデオはアメリカが抱えている社会的問題や闇の部分も出てきます。こういう話題は暗くなりがちだけど、時には笑っちゃうくらい引き込まれて観てしまいます。

 

今では彼女は仕事も大ブレイクして、ここに出演している女優と結婚(2015年に全米では同成婚が合法化)し、養子を迎えて子育て中だとか。

 

日本でもLGBTが多少受け入れられていますが、アメリカではこんなにオープンなんですね。

 

変わる、変わらないは個人の自由。自分と意見が違うからと、それを押し付けることはせずに、違いを普通のこととして認められるのが良いなと思いました。

 

トランプ政権の「アメリカ・ファースト」は、自国(自分)だけが良ければ他国(他人)が、どうなっても構わない的な人が大統領になるのは、「おもてなし文化」のある日本人から見ると驚くばかりです。

 

自分の意見だけを押し付けると、色んな関係がギクシャクするということですね。