昨日、だめ元で訪問した彼の家には、明かりが灯っていた。


何回かのノックのあと、ドアが放たれた時には、とても安心した。

居留守を使われてもおかしくないと思っていたから。





長い長い膠着期間を紐解くのに、

それこそ長い長い時間をかけて、


聞きたかったことのすべて、伝えたかったことのすべてを語り明かした。




拒絶の真相も、


いつも彼が心の波の底辺にいる時の私の思考の二択

「本当に彼に嫌われてしまった、もしくは心が離れてしまったのかも」

「今は彼が、ひとりで苦しくて辛くて、だけどその反動で人を撥ね退けているのかも」


では、やはり後者がそれに近くて


ああ、諦めなくてよかったと

疑心暗鬼に負けずにいられてよかったと、心からそう思った。





結果的には、関係性は元通りではなく、今はやはり、別れたまま。


だけれど、一晩をともにし、抱きしめてくれたり、キスをしたり

下世話なジョークを交わしたり、映画を観たり、手をつないだり。



前のように、「こうならなくてはならない関係」に囚われる必要もなく、

ただ素直に、嬉しいことは嬉しい。

受け入れたいことは受け入れる。



それは、意地っ張りの私には解せないことのように思われたけれど、

一度そのあまのじゃくを脱ぎ去れば、何てことはない、


その方がとても自然体で、楽で、何より後悔がない終わりだった。




お互いに求めあっていて、だけれど型にはめようとすると

いがみ合ってしまう相性だから、


これくらい限りなく曖昧なグレーが、ちょうどいい。


降りそうだけれど太陽が顔をのぞかせているような、そんな曇り空の色。





愛する人を、愛していると言える今が、何より幸せ。

愛する人に、会いたいと言える今が、何より自由。




これがきっと、今辿りつける最善だと、信じて。

そうして、私は夢にも向かっていける。


数多の可能性をかき集めて、胸にしっかり抱きしめて、そうして眠ろう。