この物語は誰にも話していない。
親友のリンリンにも。

アキとちゃんと付き合うことになったら報告して驚かそうと思っていた。

当時は、すぐにそうなると思っていたから。


現実はドラマよりも残酷で、私はその時お付き合いをしていた《いい感じの人》と結婚して、離婚した。
結婚したとたん、モラハラ男に豹変したんだ。
相変わらずの見る目のなさ。 

ドラマみたいに、辛いことがあっても明るく前向きに生きていくなんて、私には無理だと思った。
ドラマは嘘ばっかりだ。

毎日旦那に怒られ、物を投げつけられ、自分がダメな人間だと思いながら過ごしていた。
毎日、何度も心の中でアキに話しかけた。
こんなとき、アキならなんて言う?
あのとき、アキはなんて言ってた?

そんな辛い結婚生活を過ごしていくうちに、アキが言っていた《愛される喜びを誰かに伝える》の意味が少しわかった気がした。
そして、アキと約束した《幸せになる》ための努力をするようになった。

幸せになるためには離婚するしかない。
離婚には相当な勇気とパワーを使った。