事の始まりは、2018年11月15日。

 

私は、いつものように仕事を終えて、22時頃に職場を後にしようとしていた。

 

何気なくスマフォを見ると、めったに電話をしてくることがない父親から着信が入っていた。

 

着信は21時過ぎ頃に入っていたが、接客業のためその時間はスマフォが見れなかった。

 

こんな夜に電話をかけてくるなんて、なんだろう・・・。ちょっと嫌な予感がした。

 

折り返しかけてみると、父がすぐに出た。ちなみに父は一人暮らし。

 

どうしたのかと聞いてみると、少し黙ってから

 

「がんかもしれない・・・・」と。

 

癌が疑われている場所は膵臓だった。

 

どうやら手術はできないらしく、抗がん剤になるだろうと。

 

10月に背中の痛みを感じて病院に行ったところ、癌かもしれないから詳しく検査した方がいいと医者から言われ、がんセンターを紹介されて今度検査入院するとのことだった。

 

検査結果がわかったら、また連絡すると父は約束し、私との電話を終えた。

 

癌と聞いてショックではあったが、私の頭は割と冷静だった。

 

親の年齢的に、そろそろ何か病気にかかってしまうのではないかと、ある程度覚悟していたからだと思う。

 

あとは、この頃より少し前に、とある内科医の先生の本を読んでいて、ほんの少しだけ医療の本質を勉強し、癌などの病気になった場合の考え方を自分なりに準備し始めていたというのが大きい。

 

私自身は、特に身体の不調があるわけではないが、健康面に関する情報には前から少し興味があったので、たまたま先生の本を読んでいたにすぎない。

 

状況を冷静に受け止めた私は、家に帰って旦那に父のことを報告した。

 

詳しい検査をしてみないとわからないし、どうか癌ではあってほしくないと願いながらも、おそらく癌なのだろうと私は思っていた。