韓国映画『空気殺人~TOXIC~』

 

 

実際に起きた加湿器殺菌剤事件が題材となった作品。

 

愛する者が、突然この世を去ってしまう。

原因がわからないまま、苦悩の時間だけを過ごしていた家族たち。

一筋の光が見えたかに思えましたが、国・企業の闇がその光さえも

消し去ってしまおうとする。

懸命に闘う家族たちの姿が描かれており、胸をえぐられました。

 

主人公テフンを演じるのはキム・サンギョン。

大学病院の救急救命室で医師をとして勤務しているテフンには、

妻と一人息子がいる。

体調がすぐれない息子を心配しながら病院に向かったテフンに

妻から緊急の電話が!

体調がよくなった息子がプールで泳いでいる時、溺れてしまい

意識不明の重体になってしまう。

テフンの病院に運び込まれた息子は、意識が戻らず検査をした

結果「急性間質性肺炎」になっていると診断。

息子の入院の準備に自宅に戻った妻も、自宅で倒れ

そのまま帰らぬ人となってしまう。

 

息子の意識が戻らない中、テフンは妻の命を奪い、息子が生死をさまよう

きっかけとなった「急性間質性肺炎」に何故かかってしまったのか

テフンの妻の妹で検事であるヨンジュ(イ・ソンビン)と共に、捜査を開始。

そこには杜撰な加湿器殺菌剤を認可し、国民に広く普及させてしまった

国と企業の闇が広がっていた・・・・

 

検事の職を辞して、弁護士に転向。

姉と大事な甥のために闘うヨンジュ。

加湿器殺菌剤のせいで、「急性間質性肺炎」にかかり命を落としてしまった

人たちのなんて多いこと・・・・

原因もわからぬままに、帰らぬ人となってしまった家族の無念を思い

生きてきた人たちに、裁判での戦いは本当に過酷なものでした。

企業も簡単に認めないのよね、国もね・・・・

 

企業側の人間だと思われていたソ・ウシク(ユン・ギョンホ)の壮絶な過去に

涙が止まりませんでした。

真実にたどり着くために一芝居を打つ。

自分に仮面をつけて。

その思いに胸打たれました。

 

加湿器殺菌剤がいいと言われ、そのまま使い続け・・・・

知らず知らずのうちに身体が病におかされ命を奪われてしまう。

ようやく原因を突き詰めても、誰も責任を取ろうとしない。

今現在も、苦悩の中で生き、闘っている人たちがいると思うと辛いです。

二度と起こしてはいけない。

起こしてはいけない。

そして風化させてはいけない事件です。

 

 

 

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