蒲生邸事件/宮部 みゆき
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予備校受験のために泊まっていたホテルで火事にあう尾崎孝史。

そこで同じホテルに泊まっていた不思議な男、平田に助けられる。

タイムトラベラーな平田は、昭和11年の2月25日に時間移行をしていた。

そこは蒲生憲之の家であり、二・二六事件の前日であった。

平田は蒲生家の使用人であり、怪我をしていた孝史はその家に隠れる。

そして当主の自決に遭遇するが、不自然な状況に疑問を持つ。

未来を知っている彼に出来ることとは・・・



もしもタイムトラベルできるとしたらどこへ行こう。

未来を見てみようか、5年前、10年前の自分に会って助言しようか・・・

タイムトラベラーの平田が言うことには「歴史はかわらない」らしい。

一つの事件をとめても、似たような別の事件が発生する。

登場人物が変わるだけで、歴史は同じ方向に流れる。

戦前の人たちに「日本は負ける」といっても、逃げられないし戦争は

始まってしまう。


そしてタイムトラベラーの孤独。

もともと影が薄い。

いてもいなくても、存在を問われない人。

悲しいですね。

そして違う時代で生きようとしても、身分や住む場所、お金を手に入れて

暮らしていくのはとても大変。

一番暮らしやすいのが、戦前だとは意外。

蒲生家にかかわる人にとっては、平田は大切な存在になったのではないかな。


それでも現代に戻って小さな事実は変わっていた。

後日談がさわやかで、とてもホッとしました。