- 蒲生邸事件/宮部 みゆき
- ¥1,733
- Amazon.co.jp
予備校受験のために泊まっていたホテルで火事にあう尾崎孝史。
そこで同じホテルに泊まっていた不思議な男、平田に助けられる。
タイムトラベラーな平田は、昭和11年の2月25日に時間移行をしていた。
そこは蒲生憲之の家であり、二・二六事件の前日であった。
平田は蒲生家の使用人であり、怪我をしていた孝史はその家に隠れる。
そして当主の自決に遭遇するが、不自然な状況に疑問を持つ。
未来を知っている彼に出来ることとは・・・
もしもタイムトラベルできるとしたらどこへ行こう。
未来を見てみようか、5年前、10年前の自分に会って助言しようか・・・
タイムトラベラーの平田が言うことには「歴史はかわらない」らしい。
一つの事件をとめても、似たような別の事件が発生する。
登場人物が変わるだけで、歴史は同じ方向に流れる。
戦前の人たちに「日本は負ける」といっても、逃げられないし戦争は
始まってしまう。
そしてタイムトラベラーの孤独。
もともと影が薄い。
いてもいなくても、存在を問われない人。
悲しいですね。
そして違う時代で生きようとしても、身分や住む場所、お金を手に入れて
暮らしていくのはとても大変。
一番暮らしやすいのが、戦前だとは意外。
蒲生家にかかわる人にとっては、平田は大切な存在になったのではないかな。
それでも現代に戻って小さな事実は変わっていた。
後日談がさわやかで、とてもホッとしました。