歩く時、後ろ足を残す?残さない? | JIDAIの「食べて」「動いて」「考えて」

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〜マイムから心と身体の平和を〜心態表現としての身体表現「オーガニックマイム」を主宰しています。

歩く・・・
簡単なようでいて、とんでもなく難しく、
けれど、
難しいようでいて、とんでもなく簡単。


歩き方を習おうとしますと、
正しい歩き方なんていうのが頭をもたげてきますけれど、
何に対して正しいのか?はとっても重要ですよね。


まず、
人に見せるための歩きなのか?
全く見せることは無視した歩きなのか?

ということで、随分変わってきますよね。


バレエやモデルのような分野から歩きを捉えますと、
出来るだけスーッと縦長な感じ(強いドローインのような)がいいでしょうし、
膝も伸ばす意識が大切になってくると思うんですね。


けれど、武術のような分野では、
仮に同じ縦長だとしましても、もう少しリラックスしているでしょうし、
膝は曲げ気味になってくると思うんです。


(相当、大雑把な話ですね。。。)




それと、歩くというのは重心の移動が大事だなんて言われますでしょ?

よくありますのが、体を真っすぐにしたまま前方に倒れるようにすると、
自然に足が一歩出て、それを続けていくのだと。


そんなことあるはずないのですが、確かにこれと似たような感覚で、
後ろ足を残すように歩く歩き方と、
それとは逆に、
後ろ足を残さない歩き方というのがあるんですね。


ちなみに、足の親指あるいは母趾球で地面を蹴るように、
といったものは後ろ足を残す歩き方になります。
(膝は伸びる感じですね。)



さらに、軽やかに歩くのか?重さを持たせて歩くのか?
ということもあると思うんです。


またまた、大雑把な話になってしまいますけれど、
西洋的なものは軽やかさ、上方への意識を大切にし、
東洋的なものは重さ、下方への意識を大切にする傾向があります。


ですから、同じ躍りでもバレエは床から離れよう離れようというように踊り、
日本舞踊は床に吸い付くように吸い付くようにと踊りますし、
格闘技系でもボクシングなどはフットワークで軽やかに動き、
武術などは腰の重さと共に地面を滑るように動きますでしょ?



同じ歩くという行為でありますのに、
全く違う行為のようにも思えてくるほどですから、
自分の歩きたい歩き方で歩けばいいとは思うんですけど
、私はこのマイムをやっている以上、やはり歩きにはこだわりを持ちたいんですね。


舞台で何が一番難しいって、それは「立つ」「歩く」なんです。


その誰もが出来る最も何でもないところが、
何でもないが故に、全てが出てしまうわけで、
私なんかは、舞台を観に行って、その人が出てきた瞬間に、
見る気が出るか失せるかが、ほぼ決まってしまうんですね。

(もちろん、見る気が失せるような感じでも、
振り付けやアイデア、エネルギーなどはまた別ですから、
それはそれで圧倒されることも多いんです。)



で、私は見せるというこを大事にしながらも、
武術的な、人に見せることではなく、
ただひたすら戦闘行為としての必要性から生じた重心移動としての歩きというものの、

共通性

を見出したいなと思ってるんですね。



そうやってずっとやってきまして、私なりに今時点で分かりましたことは、
一言でいえば、見せるための歩き方を武術的な力の使い方で行なうことが
可能だということなんですね。


それは例えば、
後ろ足を残すような歩き方でも、残さない歩き方でも、
同じ歩き方(力の使い方)で行なう
ということなんですね。


そうしますと、
重さの中に軽さのある歩き、軽さの中に重さを持った歩きが可能になるんです。


ちなみに、重さのある歩きに軽さが無いものは、ただ鈍い動きになりますし、
軽さだけで重さの無いものは、、、う~んんん・・・これは、好みかなぁぁ?
浮き足立った感じになりやすいんですよね。



と、私自身はこんな感じで歩き方を捉えていまして、
日常生活ではこの根本原理を保ちつつ、
いくらか変化の幅を持たせて楽しんでいる感じです。



ところで、最初に、「歩くのは簡単なようでいて、とんでもなく難しく、けれど、難しいようでいて、とんでもなく簡単」と言いましたのは、
歩き方を意識すると難しくなり、
ニュートラルに立てていて、ただ気がついたらそこにいた、
という感じの時の歩きは、たいがい良い歩きだということです。


その自分で意識せずに移動してしまっている時の歩きを、
意識的にいつでも再現し、かつ人に見せるものとしても成立させたいですし、
出来るということなんです。

(ただの私の勘違いかもしれません笑)


もちろん、これも精度の問題で、
私の歩きの研究、修行は一生続かざるを得ないんだろうなぁ、という感じですね。



そうそう、最後にひと言。

特殊な場合を除いてはドローインという考え方はしませんし、おすすめもしていません。


Body,Mind&Spirit 本当の自分の身体は天才だ!




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