秀山祭にふさわしい配役
弁慶   幸四郎
富樫   菊之助
義経   染五郎
亀井   高麗蔵
駿河   種之助
片岡   歌昇
常陸坊  友右衛門
後見   吉之丞

吉右衛門の甥である幸四郎
吉右衛門の女婿の菊之助
甥の子の染五郎
播磨屋門下の歌昇、種之助兄弟
弟子筆頭の吉之丞

二代目への追善になる

菊之助は精悍になった。
お顔も体も絞られて良い富樫になっていた。
個人的には、梅幸のあとをついで義経を演じてほしかったのだが、この富樫をみるとやっぱり富樫かと思わせる。
台詞もきっぱりとしていた。
何より美しかった。
これは腕を上げたということ。

幸四郎の弁慶
吉右衛門の円熟味、自由自在の台詞に比べるとまだまだだが、
若さゆえの
エネルギーを感じさせる。
素晴らしいパワー。
バランスの良さ。
ひとつひとつの動きが大きい。
菊之助とのバランスも良い。
これから
この二人の勧進帳を何回もみるのだろうという予感。

染五郎の義経。
きれいだが、硬い。
判官御手をのところが
すーっとすぎていった。
梅幸の気品ある義経が私の理想。

歌昇、種之助は、
抜擢に答えて頑張っていた。
吉右衛門も喜んでいるだろう。

ちょっと残念だったのは
友右衛門。
大好きな役者だが、
最近舞台に立つこと少ないので、体力落ちているみたい。
立つとき手をついていたのと、静止の姿勢のとき上体が揺れるのが気になった。
もう後期高齢者になったのだなあとさびしいきがする。
お父様の雀右衛門のように筋トレ頑張ってほしい。

長唄は
立唄が勝四郎
2番目が松永忠次郎さんだった。
二人とも素敵。
声の質が違うので、良い意味で
変化があってたのしい。
小鼓の傳左衛門さん
大鼓もよく鳴っていた。

勧進帳のドキドキ感は特別。