昼の部
傾城反魂香
土佐将監閑居
浮世又平住家
 戯場花名画彩色 竹本連中

土佐将監閑居
いつも見る場面だが、澤瀉屋の型で演じる。

壱太郎のお徳は、でしゃばりではあるが又平大事というのがわかるのが良い。
一時期痩せて尖った印象をもったが、適度にお顔もふっくらしてとても良い感じ。
又平が手水鉢に描いた自画像が反対側に通ったのを発見したときのおどろきが、割とあっさり。私は、これくらいで良いと思った。

歌六の土佐将監
いつもなんでこの人こんなに意地悪なのと思うが、又平のことちゃんと考えていることがきちんとわかったから良いか。

寿猿の女中
若々しく台詞もきちんと。
先月から絶好調がつづく。
音羽屋系では、将監の奥方だったと思うのだが。
ここが大きな違い。

團子の修理之助
子供ではない。

歌昇の雅楽之助
お顔の険がとれて良い感じ。
うまい。

そして
中車の又平
愛嬌はないが、一生懸命さが伝わって来る。
回を重ねるたびに変わって行くだろう。
変に愛嬌あるより
この実直さを大事にしてほしい。

樂しくみることができた。

葵太夫の声はよいなあ。
今日は、三味線が慎治でなく若い人だったようにみえた。

浮世又平住家
襖に描かれた大津絵から
奴、藤娘、瓢箪鯰、座頭がでてきて不破伴佐衛門の家来を翻弄するという踊り
なかなか楽しい。
適材適所。
姫は逃げて来るが
将監閑居の緊張感はどこに行ったのか。