龍馬伝「岡田以蔵」 | おなじ空を見てる。

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上手く言えないけど「龍馬伝」でも「以蔵伝」でもなく、
「岡田以蔵の龍馬伝」として見て来た28回分。

自分的に、岡田以蔵の処刑を持って「龍馬伝」はこれでお終い。

この先を見るコトの出来なかった以蔵さんと同じく。
龍馬伝の今後を見る予定はないです。


そんなこんなで以下、以蔵ネタバレ感想です。
































***

自分的に「人斬り以蔵」は、あの牢の中で死んだと思ってます。

武市からの手紙を受け取り、
その内容に腫れ上がった目を見開き、満足げに僅かに笑い。
手紙を持ったまま脱力した手。

この時「人斬り以蔵」は死に、「岡田以蔵」が戻ってきた。

首を刎ねられる直前、
龍馬や武市のコトさえも思い出さなかったのは、
もう「土佐藩の岡田以蔵」ではなく、
数多の命を殺め恐れられた「人斬り以蔵」でもなかったから。

何ものにも縛られない、ただの男。

死の間際、胸に居たのが「なつ」だったのは、
ただの1人の男として在った証。

無念には違いない。でも、不満ではなかったはずだ。
一つの生き方、一つの命として、その人生を真っ当し、逝った。

首を失くした自分の身体を河原に転がされ、
そのまま腐り果てるまで打ち捨てられようとも。

この人は、その最後の姿まで納得し理解して死んでいった。
傍から見れば、無残で無様で、惨めかもしれない。

でもそれは、
最後の最後まで慕い尊敬した人との約束を守り、
想像を絶する苦痛に耐え抜いて迎えた最後だからこそ。

その惨たらしい死に様こそ、岡田以蔵の誇りであり、生涯の軌跡。


とね、まーそんな風に捉えました。
哀しいだけの最後なのかな、と思ってたので、
自分的には少しだけ良かったと思える最後でした。

土佐に置いて下士は人間と見なされなかった。
とのコトなので、以蔵の遺体はあのまま、
カラスに死肉を蝕まれて腐り果てていくんでしょね。

壮絶な拷問を受け続けた以蔵、投獄されただけの武市。
線香を上げてもらえた武市、遺体を晒されたままの以蔵。

「上士」と「下士」の対比が残酷さそのままで、見事でした。




佐藤健さん。

去年10月から今年の4月まで、約半年の撮影。
不安を抱えて「試練」として挑んだ初の大河ドラマ。

あなたの演じた岡田以蔵は、とても素晴らしいものでした。

以蔵の哀しさ、痛み、無念。
そして揺らがない信念と不変の純真、得た幸福。

「佐藤健」だからこそ描けた「岡田以蔵」の生涯は、
どれも胸を打ち、奥深くまで響き、心に届きました。


ありがとうございます。
本当にお疲れ様でした。