C・V・オールズバーグ  | ぴぃちくぱぁちく

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自閉症の子供とふたり暮らし。時間の最後尾をゆっくりゆっくり歩いています。
私達の日常の断片を、もしよければ「ききみみ頭巾」的「こみみ(こめめ?)」にはさんで頂ければうれしいです。

 

支援学校での12年が

時に 走馬灯のように 

時に電光石火の月日の様に 

 

矛盾に満ち満ちて思い出される今日この頃です

 

日々安定したリズムで 繰り返し が 行われる事業所では

然したる混乱や 戸惑いも少なく

反面 刺激もぐんと減ってしまい せっかく積み上げ

丈夫になりつつあった我慢袋のソコも綻び始め

 

少人数ならではの甘えと 繰り返しの作業に飽きてきた怠惰と

いろんなものがごちゃまぜになりながらも それなりに日々は過ぎて行きます

 

今はまだ コンビニに積まれたグラマラスなグラビアよりも

チーターやライオンのリアルな写真集を食い入るように見つめる18歳です

 

言葉、文化、規律、習慣等々が違う 

どこかのちがった星のこどもを授かったように

むこうもこっちも なかなか上手く受動に適応が叶わず

四苦八苦はお互い様で 不器用な半面 正に手塩の歳月です

 

長い長い前置きになりました

そん中で たくさんの素晴らしい出会いがあり

通じて 心に刺さる大人のための「絵本」にもたくさん出会う機会がありました

 

昔はただ難しい謎かけ本にしか思えなかったものが

今の自分には少し読み解けたり 違った視点で見えたり 目からうろこが落ちたり

 

C・V・オールズバーグの絵本はご存知でしょうか

主な作品群はもう20年ももっと前に刊行されたもので残念ながら

よほど大きな書店でなければでは中々容易く店頭ではみつけられないのですが

 

有名なものに「急行 北極号(ポーラエキスプレス)」いえいえその前に

あの映画化されて今度リメイクされた「ジュマンジ」を書いた児童文学作家です

日本語訳はかの高名な村上春樹さんがその作品のほとんどを手掛けておられます

 

その一冊に「魔法のホウキ」という作品があります 

彼の数頁の絵本が映画化されるというのは その作品の奥深さや

読み手にとっていかようにも膨らますことが出来る

無限大のメッセージが仕掛けられているからではないかと思います

 

通り一遍に読んでもよく出来ている物語ですけれど

こちら側の心情がそのまま反映して物語の終りが違って見える

こういう作品はそうそうないと思うのです

 

魔女に捨てられた 跳べなくなったホウキ

普通でないもの を 忌むべきもの と みなす大人たち

 

読みかえす度に毎回違った読後感があり 中に違うモノが見え隠れする

物語のない物語風のモノ 中世の絵画のような、こちらを見透かしてでもいるような、一見冷やかにも見える人物たち

 

図書館でこちらをみている オールズバーグさんの世界へいってみませんか?