モアオーガニックなスキンケア通販の「ぷろろ健美堂」を運営する白樺じっちゃんこと八幡です。
美しい太平洋の「ハワイやパラオで日焼け止め販売禁止」というニュースを、８月１９日の日経新聞が報じました。サンゴの成長に悪影響を与えるという複数の機関からの指摘に対応したもの。日焼け止めに使用される化学成分のオキシベンゾンなどが、観光客の使用する日焼け止めによって年間数千トン以上もサンゴ礁の生息する海域に流れ込み、サンゴ礁の生育を阻害しているというのです。法規制が行われることになったハワイ州のイゲ知事は「サンゴ礁を守る第一歩だ」と強調しています。ぷろろは日焼け止めの紫外線吸収剤は使用を避けるべきとお伝えしてきました。くしくもこれを裏付ける形となりました。
日焼け止めの成分には、合成成分である「オキシベンゾン」や「オクチノキサート」などの紫外線吸収剤と、鉱物のミネラル成分である「二酸化チタン」や「二酸化亜鉛」などの紫外線散乱剤とがあります。それぞれ長短はありますが、紫外線吸収剤は、紫外線のエネルギーを肌の中に吸収し、熱などに化学変化させて放出するもので、肌への負担がいわれてきました。とくに酒さや酒さ様皮膚炎を患う肌には厳禁です。しかし大手メーカーが市販する３５００種類以上にものぼるといわれる日焼け止めには、この成分が使われているのです。
日焼け止め規制の新聞記事
ハワイの青く澄んだ遠浅の海にひろがるサンゴ礁。ハナウロ湾では早くから日焼け止めを使用しないよう観光客に呼び掛けていたといい、２０２１年からは、ハワイ全域で法律により販売が禁止されることになったのです。また、南太平洋に浮かぶ島国パラオでも、２０２０年から１０種類の化学物質を含む日焼け止めの販売と持ち込みが禁止されます。販売した場合は１０００ドル（約１０万６千円）以下の罰金が課され、持ち込んだ製品は没収されるそうです。米フロリダ州でも２０２１年から同様の措置の導入を検討しており、メキシコでも海洋公園などで市販の日焼け止めを使用しないように呼び掛けています。こうした紫外線吸収剤を使った日焼け止めは、世界のビーチリゾートで今後さらに規制される動きが広がるものと思われます。
アメリカの研究所などによると、年間６千～１万トンもの日焼け止めがサンゴ礁の生息する海域に流れ込んでいるそうです。そこに含まれるオキシベンゾンなどがサンゴの成長に悪影響を与えると分析しています。おきまりのことながら、こうした現状を変更する動きに対しては、マイナスの影響を受ける企業側から「悪影響の証拠は限定的だし、科学的根拠に乏しい」などの反論が出されています。世界最大手の仏ロレアル社は、「自社の紫外線吸収剤をテストしたがサンゴ礁に有害な影響はなかった」と発表しています。ただこうしたテストはごく限られた短い期間で実施されるのが通例で、化粧品と同じく１０年、２０年という年月に蓄積した場合に、どのような影響があらわれるかは不明です。日本の大手メーカーは、「国内外の研究機関で評価中だが、必要と判断したら代替物質に切り替える」「規制地域での販売には必要な対応をする」などとのべています。
サンゴ礁に悪影響をおよぼす懸念のある化学物質が、人の肌から体内に入ったとき、健康に影響をおよぼすことは十分に考えられることです。日焼け止めを使うときは、「二酸化チタン」や「二酸化亜鉛」などの紫外線反射剤のものを選ぶようにしましょう。またSPF値はあまり高すぎない、３０以下のもので十分です。日焼け止めの成分に限らず、自然界に存在しない化学物質は、できるかぎり人間の体内に取り込まないことが大事です。自然界にない合成化学物質に対して、人間は体内に分解酵素をもたないからです。
全世界でプラスチックゴミが、近年、急速に問題になってきました。微細な粒子化して海に流れ込み、深海魚がエサといっしょに食べて体内に蓄積すると、それを人間が食べて、健康に深刻な影響をおよぼす懸念があるということです。このためスターバックスでは、いちはやくプラスチック製のストローを、紙製のストローに切り替えました。またレジ袋を廃止したり、制限する動きも急速にひろがり、必要の可否を尋ねてから渡したり、有料化するところも増えてきました。ジュゴンの赤ちゃんや鯨がプラスチックごみを食べて死んだり、動物にも被害がおよんでいるのです。石油製品であるプラスチックは、容易に分解しないうえ、自然界に流出するとさまざまな問題を引き起こすことがわかってきています。私たちも地球に対して加害者にならないように、環境を大切にして後世に引き継げるように、生活を見直すことが求められているのです。
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