さて、この不思議考と銘打った話ですが、前回ので終了しようと思っていたところ、面白い話を思い出しましたので、もう1回だけ書かせてもらいます。
話は10年ほど前、場所は神奈川県。
私の姉が嫁いだ先のお寺での話しです。
このお寺、かなりの歴史をもち、檀家の数も多い大きなお寺さんです。
この家は犬が好きで、いつも何匹か飼っています。
小型犬ばかりで可愛いんです。
たまに行く私でさえそう思うのですから、家の人からしたら本当に家族も同然。
とても可愛がられています。
ところが年月が経てば、やはり病気にもなり、死んでしまうもの。
当然のこととはいえ、悲しいことには変わりはありません。
その頃、1匹の犬が病気になり獣医が診察しましたが、もうダメだと言われたこともあり、
姉は悲しんでいました。
そこに独立した長男(医者です)が友人を連れて帰ってきました。
母親の憔悴した様子に驚き、理由を尋ねました。
事情のわかった長男は、母親の嘆きに理解を示したものの、当然どうにかなるものではなく。
困り果てました。
ところが、どうにかならないのは長男自身であって、そうではない人がいました。
そう
一緒に来た友人です。
困惑した友人を見かねたのか、たった一言、
「一度だけ力を貸そうか?」
「頼む」
理由もわからず、あっけにとられる姉から犬を預かり、
「本堂を貸してくれ」
そのまま本堂へ行き、
周囲全てを閉め、こう言いました。
[絶対に入るな!!」
事情を理解している長男(以下甥)は黙って姉と共に本堂の外で待ちます。
しばらくすると突然
本堂だけが家鳴りをし、一瞬激しく揺れたといいます。
ややあって・・・・・・・・・。
本堂の中から犬の元気のいい鳴き声。
驚いた姉が近づくと、本堂の入り口が開き、
中から犬が・・・・・・・・
先ほどまで動くこともできず、ただその死を待つだけだった犬が、
ちぎれんばかりに尾を振り、姉に飛びつき、顔中を嘗め回します。
姉の驚きと喜びはどれほどのものだったか。
犬はそれから2日間生きて、静かに息を引き取りました。
後に甥から聞いたところ、
「あいつは昔から変な力があってね。殆ど人にはみせないんだけど、まさか犬にまでなあ」
と言っていました。
「お前は医者なのに、そんなものを信用するのか?」
と尋ねたところ、
「何か勘違いしてるね。医者とか科学者というのは、あるものは全て受け入れる。理解できないものは理解できるように調べる。だから科学は発展する。理解できないからといって、そんなものはありえないなんていう科学者はいないよ。いたらよほどのバカだ」
という答えでした。
しかし、この現象について尋ねたところ、答えは
「わからん、今はね。ただ、将来もわからないのかというと、それもわからん」
甥は現在もある大学病院で部長として活躍していますし、このお寺もあります。
どう考えてもありえないような話なので、書くのにもためらいはありました。
しかし事実です。