第7のラッパが鳴り、審判の本編が始まる。


それから、神の御前で自分たちの座に着いている二十四人の長老たちも、地にひれ伏し、神を礼拝して、
言った。「万物の支配者、今いまし、昔います神である主。あなたが、その偉大な力を働かせて、王となられたことを感謝します。
諸国の民は怒りました。しかし、あなたの御怒りの日が来ました。死者のさばかれる時、あなたのしもべである預言者たち、聖徒たち、また小さい者も大きい者もすべてあなたの御名を恐れかしこむ者たちに報いの与えられる時、地を滅ぼす者どもの滅ぼされる時です。」
それから、天にある、神の神殿が開かれた。神殿の中に、契約の箱が見えた。また、いなずま、声、雷鳴、地震が起こり、大きな雹が降った。(黙示録11・16-19)


24人の長老たちは、イスラエル12部族のそれぞれに割り当てられた証人である。

律法では、裁判では証言者は必ず2人いなければならなかった。

イスラエル12部族は、神の民を象徴する。

神の民を代表する長老たちが、次のことを証言した。


1.新しい天と新しい地、つまり、新約世界において神である主が王となった。
2.御怒りの日、つまり、旧約世界の悪を裁くべきときが来た。
3.神の民には報いが、地を破壊する者には滅亡が訪れる。


「それから、天にある、神の神殿が開かれた。神殿の中に、契約の箱が見えた。」

これは、これから起きる神の審判が契約に基づくことを示している。

神とイスラエルの間に交わされた契約によれば、服従する者には繁栄を与え、不服従の者には滅亡が定められていた(参考・申命記)。

「また、いなずま、声、雷鳴、地震が起こり、大きな雹が降った。」

これは、シナイ山においてモーセが神と契約が結ばれたときに起きた天変地異を想起させる。


三日目の朝になると、山の上に雷といなずまと密雲があり、角笛の音が非常に高く鳴り響いたので、宿営の中の民はみな震え上がった。
モーセは民を、神を迎えるために、宿営から連れ出した。彼らは山のふもとに立った。
シナイ山は全山が煙っていた。それは主が火の中にあって、山の上に降りて来られたからである。その煙は、かまどの煙のように立ち上り、全山が激しく震えた。(出エジプト記19・16-18)


この天変地異は、これから起きる神の裁きは、モーセ契約に基づくものであるということを暗示している。


また、巨大なしるしが天に現われた。ひとりの女が太陽を着て、月を足の下に踏み、頭には十二の星の冠をかぶっていた。
この女は、みごもっていたが、産みの苦しみと痛みのために、叫び声をあげた。
また、別のしるしが天に現われた。見よ。大きな赤い竜である。七つの頭と十本の角とを持ち、その頭には七つの冠をかぶっていた。
その尾は、天の星の三分の一を引き寄せると、それらを地上に投げた。また、竜は子を産もうとしている女の前に立っていた。彼女が子を産んだとき、その子を食い尽くすためであった。
女は男の子を産んだ。この子は、鉄の杖をもって、すべての国々の民を牧するはずである。その子は神のみもと、その御座に引き上げられた。
女は荒野に逃げた。そこには、千二百六十日の間彼女を養うために、神によって備えられた場所があった。(黙示録12・1-6)


「女」は、神の民イスラエルを象徴する。

神の民イスラエルから出たメシアであるイエスは「神のみもと、その御座に引き上げられ」、新天新地における王となられた。

「女は荒野に逃げた。そこには、千二百六十日の間彼女を養うために、神によって備えられた場所があった。」

1260日の「養い」は、昇天(紀元30年頃)から約35年間、使徒たちの伝道によって神の民が増え、集団が形成されるためである。


こうして、この巨大な竜、すなわち、悪魔とか、サタンとか呼ばれて、全世界を惑わす、あの古い蛇は投げ落とされた。彼は地上に投げ落とされ、彼の使いどもも彼とともに投げ落とされた。
そのとき私は、天で大きな声が、こう言うのを聞いた。「今や、私たちの神の救いと力と国と、また、神のキリストの権威が現われた。私たちの兄弟たちの告発者、日夜彼らを私たちの神の御前で訴えている者が投げ落とされたからである。(黙示録12・9-10)


キリストが王となった反面、それまで世界を騙してきたサタンが天から追い出され、支配権を失った。

新約世界において、サタンにはいかなる法的権威もない。

それゆえ、紀元70年以降、必ずサタンはクリスチャンに敗北するしかない。


また私は見た。海から一匹の獣が上って来た。これには十本の角と七つの頭とがあった。その角には十の冠があり、その頭には神をけがす名があった。
私の見たその獣は、ひょうに似ており、足は熊の足のようで、口は獅子の口のようであった。竜はこの獣に、自分の力と位と大きな権威とを与えた。
その頭のうちの一つは打ち殺されたかと思われたが、その致命的な傷も直ってしまった。そこで、全地は驚いて、その獣に従い、
そして、竜を拝んだ。獣に権威を与えたのが竜だからである。また彼らは獣をも拝んで、「だれがこの獣に比べられよう。だれがこれと戦うことができよう」と言った。
この獣は、傲慢なことを言い、けがしごとを言う口を与えられ、四十二か月間活動する権威を与えられた。
そこで、彼はその口を開いて、神に対するけがしごとを言い始めた。すなわち、神の御名と、その幕屋、すなわち、天に住む者たちをののしった。
彼はまた聖徒たちに戦いをいどんで打ち勝つことが許され、また、あらゆる部族、民族、国語、国民を支配する権威を与えられた。(黙示録13・1-7)


「十本の角と七つの頭と」を持つ獣は、ローマ帝国である。

ダニエル書でローマ帝国を表す「第四の獣」と類似している。


その後また、私が夜の幻を見ていると、突然、第四の獣が現われた。それは恐ろしく、ものすごく、非常に強くて、大きな鉄のきばを持っており、食らって、かみ砕いて、その残りを足で踏みつけた。これは前に現われたすべての獣と異なり、十本の角を持っていた。
私がその角を注意して見ていると、その間から、もう一本の小さな角が出て来たが、その角のために、初めの角のうち三本が引き抜かれた。よく見ると、この角には、人間の目のような目があり、大きなことを語る口があった。(ダニエル7・7-8)


「その頭のうちの一つは打ち殺されたかと思われたが、その致命的な傷も直ってしまった。」

7つの頭はローマ皇帝7人を示す。


1.ユリウス・カエサル(紀元前49ー44年)
2.アウグストゥス・カエサル(紀元前31ー紀元14年)
3.テベリウス・カエサル(紀元14ー37年)
4.ガイウス・カエサル(カリギュラ)(紀元37ー41年)
5.クラウディウス・カエサル(紀元41ー54年)
6.ネロ・カエサル(紀元54ー68年)
7.ガルバ・カエサル(紀元68年ー69年)


ネロは短剣を喉に刺し「剣の傷」を受けて死んだ後、帝国は混乱の中に放り込まれ、ユリウス・クラウディウスの皇帝の血統が途絶え、帝国の創設者の家系が突然統治権を失った。

スエトニウスが述べるように、「カエサルの種族はネロと共に潰えた」(Galba 1)。帝国に大きな内乱が勃発し、帝国はほとんど崩壊し、「永遠のローマ」は瓦礫の山と化した。ヨセフォスは、この時期に帝国がほとんど「滅亡」しかかったと述べている。

しかし、この後、ヴェスパシアヌスの下でローマ帝国は奇跡的な復活を遂げた。


「・・・3人の皇帝の虐殺の後に帝国は長い間安定を失い、いわば、漂流状態にあったのだが、ついに、・・・フラヴィアン家の手によって安定を取り戻したのであった」(Suetonius, Vespasian 1)。


ヨセフォスは「ローマ人の国家的問題が予期せぬ方法で解決され、破滅を免れるや否や、・・・」(Wars 4:11:5)と述べている。

ジェームス・モファットは次のように言った。


ネロが死に、その後の空位時代の血で血を洗う戦いのために帝国は傷を受けた。傷から立ち直ったのは、やっとヴェスパシアヌスのもとにおいてであった。このことは、『傷ついた頭』という使徒の預言を実現するものであった。・・・革命の後で自力更正するという力の内に示された異教の帝国のバイタリティーは、いやがうえにもその名声を高めたのであった。


獣は生き返った。