1.

聖書は必ずしも反キリストをネロと限定していません。

ネロと考える可能性もありますし、ティトゥスと考える可能性もありますし、ローマ帝国と考える可能性もあります。

いずれにしろ、反キリストは「第四帝国」から出るというのがダニエル書の主張であり、黙示録もその見解を踏襲しています。

そして、「ローマ皇帝及び帝国が狭義の反キリストである」という私の考え方は、この「第四帝国から出る」という聖書の明確な主張に基づいています。

ダニエル書では、「第四の帝国は鉄であり、粘土と混じり合っている」と教えられています。そして、そこから獣が登場すると。

そして、黙示録は「ダニエルの獣とは666だ」と「小アジアの7つの教会に」述べているのですから、それは当時の読者に理解できる人物であり、明らかに「ローマ皇帝及び帝国」がこの獣の正体であると啓示されています。

それを、中世から現代にかけてのローマ・カトリックに敷衍して適用するヘンドリーには賛成できません。あくまでもこのローマ・カトリックは「広義の反キリスト」であり、聖書が述べる「再臨前に一度限り実現する狭義の反キリスト」ではありません。

(ちなみに、ここでディスペンセーション主義者に合わせて反キリストと言いましたが、黙示録では獣であり、反キリストは1ヨハネにあるように「偽預言者」を指しています。)

2.

ケネス・ジェントリーもエドワード・ヘンドリーも、そして、もちろんのことながら、他の教師たちも、偉大な聖書のメッセージを受け取ることがまだできていないようです。

そのメッセージとは、


紀元70年において「再臨は実現し、旧約の世界に幕が引かれ大団円を迎えた。その後、イエス・キリストを中心とするニュー・ワールド・オーダーが誕生し、まったく新しい経綸によって神は支配しておられる


です。

問題は、狭義の反キリスト(獣)の存在を紀元70年以降にも認めていることにあります。

繰り返しになりますが、「紀元70年において狭義の反キリストは滅亡した」のです。

3.

自分があるアパートの権利を獲得することに例えて言えば、旧約時代の反キリストは、「まだアパートの権利を得ていない時に、そこに居座っている住人」であり、新約時代の反キリストは「すでにアパートの権利を得たのに居座っている住人」です。

アパートの権利を得ていない時代において、私には彼らを追い出す権限がありません。しかし、アパートの権利を得てからは彼らを追い出す権限があり、彼らが騒いでも「空騒ぎ」でしかありません。

新約時代において、暴れているサタン及びサタンの手下たちは「正当な権利もないのに世界を所有していると主張する無力な人」です。彼らに対しては「お前たちには、この世界を支配する法的な権威がない。イエス・キリストの名によって出て行け!」というと出て行きます。

しかし、もし私が「アパートの権利が自分に委譲されている」ということを知らないか、本気にしていなければどうでしょうか。

正々堂々と相手に宣言することはできません。今のキリスト教界は、このような状態にあります。

彼らは「紀元70年において再臨があり、それ以降、世界の所有権がイエス・キリスト及びクリスチャンに完全に移行した」ということを知らないか、本気にしていない。

そのために、どっちつかずで弱い状態が続いてきた。

教会でよく聞く「主は再び来られます」というメッセージは、信仰の励ましとして歓迎されていますが、実は、クリスチャンの心に迷いを起こさせる言葉なのです。

本当の励ましとは「主は紀元70年に来られました!そして、ニュー・ワールド・オーダーを樹立され、サタンは法的に主権を失い、凱旋の行列に加えられた捕虜になりました!だから私たちは、この世界を主のために獲得しましょう!」と宣言することです。