最近、ルターやカルヴァンによる宗教改革も、ユダヤ人の陰謀の所産であると述べる日本人がいるが、まったくの無知と偏見によりものであるので注意されたし。
それを主張する人々に、ルターやカルヴァンのどの発言がタルムードユダヤ教なのか尋ねても、答えない。
彼らの根拠は、おそらくJohn Kountouris著『Jew World Order』にあると思われるが、これは、反ユダヤ主義のプロパガンダ本である。
著者自身が、それをフィクションと述べている。
内容も、根拠の明示されていないきわめてアヤシイ情報に溢れている。
ジャン・カルヴァン
カルヴァンはユダヤ人で、『シオン修道会』のエージェントであった。
「一般に信じられているのとは違って、カルヴァン主義の起源はユダヤにある。それは、キリスト教の信者を分裂させ、民衆を分けるために考え出された。カルヴィンの本名はコーエンである!教義を説くためにジュネーブからフランスに渡ったとき、彼はカウイン(Cauin)として知られるようになった。その後、それはイギリスにおいて、カルヴィン(Calvin)となった。スイスで誕生しなかった革命的な陰謀がほとんど存在しないことは、歴史が証明している。ユダヤ人革命指導者で、改名しなかった者はほとんどいない。
1936年にフランスのパリで開催されたブナイ・ブリスの祝賀会では、コーエン、コービン、カルビン、その名がどう呼ばれようとも、彼は、ユダヤ人の子孫であったと熱烈に称賛された(『カトリック公報』1936年2月)。
https://books.google.co.jp/...
1.
『シオン修道会』は、実在性を疑われている。
シオン修道会(シオンしゅうどうかい、フランス語:Le Prieure de Sion、英語:Priory of Sion)とは、1960年代以降のフィクション、ノンフィクションで扱われた秘密結社の名称である。11世紀の中世に遡る歴史を持つと伝えられ、主催者もそのように称したが、その根拠はフランス語で『秘密文書』という名を持つ冊子の記述にあった。しかしこの文書は、最後の総長を自称していたピエール・プランタールが、自ら捏造したものであると1993年に告白した為、シオン修道会が主張していた伝統や秘密は偽りであったと現在では考えられている。・・・
フランス政府の官報によれば、シオン修道会は実際に存在した組織であり、1956年6月25日に発足の届けが出ている。会長はアンドレ・ボノム、事務局長はピエール・プランタール(Pierre Plantard)であった。届けられた定款によれば「カトリック制度と戒律での独立伝統主義騎士団( Chevalerie d'Institutions et Regles Catholiques, d'Union Independante et Traditionaliste )」と自らを位置づけており、このフランス語名の頭文字を採った『CIRCUIT』と題する会報を発行していた。活動の痕跡は同年10月まで。1962年にプランタールにより名目上再建されるが、組織としての実体がないまま1993年まで継続した。
(Wikipedia―シオン修道会)
2.
このカトリック広報の引用文は、最初William Guy Carrなる人物によって紹介されたようである(William Guy Carr, Pawns In The Game; p. 9 of 15 from chapter 2; 1958)。
http://www.jesusisprecious.org/...
『カトリック広報(Catholic Gazette)』は、ローマ・カトリック大司教George Patrick Dwyerが編集者を務めたローマ・カトリックの雑誌である。
ローマ・カトリックがプロテスタントを悪く言うのは自然であり、その情報を無条件に信用するわけにはいかない。
なんらかの根拠を必要とするが、カルヴァンがユダヤ人であったことを証明する事実はない。
3.
カルヴィンの本名がコーエンであったと言われているが、証拠はまったくない。
次のページで彼の名前の由来について詳しく解説されているが、コーエンであった「確実な」証拠は提示されていない。
http://id3417.securedata.net/...
カルヴァンの系図にその名が出ているならば別だが、そのようなものもない。
4.
「スイスで誕生しなかった革命的な陰謀がほとんど存在しない」
革命的な陰謀、たとえば、フリーメイソンはテンプル騎士団が起源であるが、最後の総長デ・モレイが革命を指示したのはフランスにおいてである。
イルミナティは、バヴァリア啓明結社から始まったので、ドイツが起源。
薔薇十字団もドイツ。
5.
「1936年にフランスのパリで開催されたブナイ・ブリスの祝賀会では、コーエン、コービン、カルビン、その名がどう呼ばれようとも、彼は、ユダヤ人の子孫であったと熱烈に称賛された」というが、出典がないので、確認できない。
いくらタルムードユダヤ人によって賛美されようが、カルヴァンの著作の内容に、タルムードユダヤ教の教義が現れたことはない。
もし、カルヴァンがタルムードユダヤ教徒であれば、そのような主張が随所に見られるはずであるが、誰もそのような箇所を指摘できない。
6.
タルムードユダヤ教は、パリサイ人の教えであり、
https://ameblo.jp/...
聖書よりもタルムードを権威とする。
パリサイ人は「言い伝えによって聖書を無にしている」とイエスに批判されている。
そのころ、パリサイ人や律法学者たちが、エルサレムからイエスのところに来て、言った。
「あなたのお弟子たちは、なぜ長老たちの言い伝えを犯すのですか。パンを食べるときに手を洗っていないではありませんか。」
そこで、イエスは彼らに答えて言われた。「なぜ、あなたがたも、自分たちの言い伝えのために神の戒めを犯すのですか。
神は『あなたの父と母を敬え』、また『父や母をののしる者は死刑に処せられる』と言われたのです。
それなのに、あなたがたは、『だれでも、父や母に向かって、私からあなたのために差し上げられる物は、供え物になりましたと言う者は、
その物をもって父や母を尊んではならない』と言っています。こうしてあなたがたは、自分たちの言い伝えのために、神のことばを無にしてしまいました(マタイ15・1-6)
宗教改革運動は「聖書のみ、信仰のみ」を唱え、聖書を最高権威とする。
また、パリサイ人は、救いは信仰ではなく、行いによると唱えた。しかし、聖書は「人が救われるのは信仰のみ」と教えている。
キリスト・イエスにあっては、割礼を受ける受けないは大事なことではなく、愛によって働く信仰だけが大事なのです。(ガラテヤ5・6)
このようなデマが広まり、宗教改革に対する誤解や偏見が生まれることを危惧する。