悪者は、悪の網を張るのを好み、正しい者の根は、芽を出す。(箴言12・12)
これは、キング・ジェームズ訳では次のように訳されている。
The wicked desireth the net of evil men: but the root of the righteous yieldeth fruit.
(悪者は、悪人の網を欲しがるが、義人の根は実を結ぶ。)
1.
Brown-Driver-Briggsによると「網」にあたる原語matsowdは「hunting implement, specifically net(狩りの道具、とくに網)」という意味である。
同じく「好み」に当たる原語chamadは「to desire, take pleasure in(を強く欲しがる、楽しむ)」という意味である。
それゆえ、前半は、次のように訳すことができる。
「悪者は、悪人の狩猟道具を欲しがる」
または、
「悪者は、悪人の狩猟道具を楽しむ」
悪者は、悪人が使用する狩りの道具、とくに、網を欲しがり、それを楽しむ。
悪人が使用する狩りの道具とは、詐欺やペテン、ウソ、略奪用の武力などである。
共産主義者は、目的のためなら手段を選ばない。
中国は、力を得るために、プロパガンダを世界中に流し、人々を騙そうとする。
賄賂を使ったり、盗んだり、略奪したり、殺したり、侵略しようとする。
悪人は、何かを得ようとするときに、悪人が使う方法を切望する。
正攻法、王道を嫌い、邪道を選ぶ。
地道に技術を蓄積し、信頼を得ることによって顧客を増やすという王道を選ばず、賄賂やスパイを使って、アメリカや日本が蓄えた技術を盗み、手っ取り早く国力をつけようとする。
2.
このような邪道を選択する人は何を得るのか。
無である。
なぜか。
後半が示している。
義人の根は実を結ぶ。
箴言では、前半と後半が対比関係にあることが多い。
ここでも後半は、前半の対比である。
つまり、この句は「悪人は実を結ばない」ということを暗示している。
「悪人は、悪人の狩猟道具を欲しがり、それを用いることを楽しむが、結局実を結ばない」ということを示している。
イエスは「剣を取る者は、剣によって滅びる」と言われた。
武力を用いて権力を拡大することを望む人は、その武力で破滅すると。
邪悪な網をかける人は、何も得られないだけではなく、自分自身がその網にかかって滅びる。
しかし、「義人の根は実を結ぶ」。
義人の方法は、根を張ることである。
地中の水分や養分を根から吸収して、枝に運び、実を結ぶ。
義人は、他人を欺くような「かすみ網」を張らない。
地道に実力をつけることを目指す。
実を結ぶためには、まず、実力をつけることだ、と考えている。
他人が得た技術をパクればいい、などと考えない。
時間はかかるかもしれないが、努力を積み上げる方法を選択する。
3.
第三世界は、なぜ、いつまでたっても第三世界なのか。
先進国に搾取されているから貧乏なままだ、というのは、共産主義者のプロパガンダである。
いつまでたっても貧乏から脱出できないのは、「それなりの力を養成してこなかったからである」。
貿易の実務をやったことのある人ならわかるが、第三世界の国々との取引には注意が必要である。
騙しをするから。
一、二回目までは、代金を払うが、三回目で欺くことが多い。
そのため、銀行の信用状をつけることを求めるが、その国の銀行も信用できないため、先進国の銀行の「確認信用状」を必要とする場合が多い。
こういう国では、技術の獲得を重視しないので、建物を建てても崩れたり、おから工事のため頻繁に道路が陥没したり、設備が壊れる。
なぜいつまでたっても被支援国のままなのか。
その根本原因は「悪人であること」にある。
心が悪いのである。
心が悪いから、悪い手段を選択する。
悪い手段を選択するから、実を結ばない。
真の貧困対策は、心を入れ替えることである。