1.

終末論と契約神学に関しては、長い間、啓示に対する理解が進んでいなかった。

聖書の中にちりばめられているパズルのパーツを並べて一枚の絵にする作業は、20世紀後半に始まったと言っていい。

終末論については、アウグスチヌスからジャン・カルヴァン、そして、アメリカのピューリタンたちに、ポスト・ミレが受け継がれ、主流派を形成してきたが、具体的に聖書の箇所を根拠に論を精緻化する作業は「現在進行中」と言っていい。

ジャン・カルヴァンですら黙示録の講解は行っていない。細かい部分はわからなかったのである。

ラッシュドゥーニーも「概論」どまりで、大まかな方向性は示したものの、具体的にマタイ24章や1コリント15章、黙示録を解説しなかった。

正統派において、具体的な黙示録の講解が始まったのは、ゲイリー・ノースデイビッド・チルトンのThe Days of Vengeance: An Exposition of the Book of Revelationからである。

そのチルトンですら、この本が出版される前に原稿の大幅な組み替えを行った。

レイ・サットンによるThat You May Prosperが出版され聖書契約の5条件が明らかになったからである。

チルトンは、5条件の枠組みに合わせて書き換えを行った。これは誤謬を訂正したという意味での書き換えではなく、大きな枠組みを5条件に合わせて構築し直したということである。

私は、1985年以降に行われた終末論と聖書契約に関するパラダイムシフトの大転換の現場を目撃した一人である。

その後、ケネス・ジェントリーの著作群(The Beast of Revelationなど)によって、ポスト・ミレの聖書解釈の精緻化が進んできた。

2.

しかし、この流れの中で、多くの人々がフェデラル・ヴィジョンフルプレテリズムに逸れて行き、異端の仲間になってしまった。

16世紀の宗教改革同様、再建主義の道には、多くの魔物による攻撃が待っているので、道を踏み外すことのないようにしていただきたい。


にせキリスト、にせ預言者たちが現われて、できれば選民を惑わそうとして、しるしや不思議なことをして見せます。(マルコ13・22)


これは紀元1世紀に関する預言であるが、同じことは現代にも当てはまる。

「惑わし」は必ずある。

そして、この惑わしにはまって、永遠の命を失うか、それを保つかは、聖書に対する謙遜を保つかどうかにかかっている。

聖書から矛盾を指摘されたら、即座に捨てないと、その悪いパラダイムの中に入って抜け出せなくなる。

あらゆるパラダイムについて言えるが、その中は「変な居心地のよさ」があるからである。

オウム真理教のパラダイムに入ると、その中ではきっと、エリート意識を与え、自尊心をくすぐってくれる教えと人々が歓待してくれるのだろう。

互いに互いをたたえ合っているうちに、サタンはあらぬ方向にその集団を導き、とんでもない悪行を行わせ、破滅させる。

変なパラダイムに入り込んでしまったら、外側の人がどんなに説得してもそこから抜き出すことはできない。

では、自分が属しているパラダイムが正しいかどうかどうやって判断したらよいのだろうか。

「実を見ること」である。


にせ預言者たちに気をつけなさい。彼らは羊のなりをしてやって来るが、うちは貪欲な狼です。
あなたがたは、実によって彼らを見分けることができます。ぶどうは、いばらからは取れないし、いちじくは、あざみから取れるわけがないでしょう。
同様に、良い木はみな良い実を結ぶが、悪い木は悪い実を結びます。
良い木が悪い実をならせることはできないし、また、悪い木が良い実をならせることもできません。(マタイ7・15-18)


そのパラダイムに属する人がどういう実を結んでいるか、に着目することである。

故意にウソをついて人を貶めていないか。

内部で道徳的な乱れがないか。

教えと矛盾することを平気で行っていないか。

周辺住民に迷惑がかかるようなことを行って、評判を落としていないか。

金銭に汚くないか。

3.

昔、とんでもない男と商売上の付き合いがあった。

当初、まともだと思っていたが、彼の知り合いから聞く評判が悪いのである。

それでも様子を見ていた。

だんだん正体がわかってきた。

私も未熟だったので、そこでスパッと切っていればよかったのだが、ずるずると付き合いを続けた。

反社会的な組織と仕事をしないかと誘ってきた。

私は彼が度々このような話をするのは、「私を選ぶか、神を選ぶか」と踏み絵を踏ませようとしたと解釈している。

これこそ誘惑である。

結局、大きな損害を与えられて関係は終わった。

これ以降、私は「隠れて邪悪なことを行っているような人間と付き合ってはならない」と判断し、関係をスパッと切るようにしている。

だから、トヨタがまだ中国と付き合いを続けているのが信じられない。

愚か者がトップに座ってしまったのである。

組織の破滅は、付き合ってはならない人間と付き合うことから始まる。