前回までのブログでは、母音、子音の発音方法を紹介しました。
今回は英語の発音最終章で、日本語にはない英語独特の発音システムであるリエゾン、リダクション、3つを紹介していきます。
初めにリエゾンについて説明します。
リエゾンとは2つの単語が並んだ時に、前の単語と後の単語が重なって新しい音を生み出す仕組みです。
具体例を挙げましょう。
「落ち着いて」という意味のtake it easy. は3つの単語の配列で成り立っている熟語です。
この時の発音にリエゾンが発生します。
初めにtake と itは、takeのk とitのi がリエゾンを起こし、kiと言う新たな発音になります。またitのtとeasyのeaがリエゾンを起こし新たな発音が生まれています。
take it を発音すると、「テイキティーズィー」になります。
この子音+母音の配列が前後の単語同士で並ぶと音が重なって新たな発音を生み出すシステムがリエゾンです。
他にリエゾンを起こす代表的な熟語は以下になります。
Can I use it?
That’s a good idea.
First of all.
It’s all over in an hour.
次にリダクションについて説明します。
リダクションとは「2音節以上ある単語で、音が強調されない音節は、音が弱化(強調の逆の意味)される、若しくは母音の発音が変化する」という仕組みのことです。
リダクションは音節や強調のルール、母音の発音を知らないと理解できないシステムなので、なかなかとっつきにくい難しい仕組みだと思います。
具体的を挙げましょう。
informationという単語があります。「インフォメーション」と発音するのは典型的なジャパニーズイングリッシュです。
informationという単語を見たときに以下の3つに着目してみてください。
① 何音節であるか → 4音節
② どの音節が強調されるのか → ma
③ 強調のない音節は弱化する →「ぃんふぉメイしょん」
これだけ見ても理解しにくいのでもう一つ具体的を挙げます。
mistake
① 何音節であるか → 2音節
② どの音節が強調されるのか → take
③ 強調してない音節は弱化する → 「マsテイk」
今回のmistakeという単語は強調のない音節に「母音の変化」がありますね。misの音節は「ミス」とカタカナ英語で発音せず、「マs」のように発音されています。
他の代表的な単語を以下に挙げます。
believe 「ビリーブ」ではなく「バリーv」
visit 「ビィジット」ではなく「ヴィザッt」
going 「ゴーイング」ではなく「ゴウアン」
question 「クエスチョン」ではなく「kウェsチャn」
最後にフラップについて説明します。
フラップは専ら子音のtの発音で起こります。子音のtが前後を母音で挟まれた場合に、本来「タ行」である/t/が「ダ行」のような、「ラ行」のような音に変化します。
waterという単語を外国人は「ウォーター」ではなく「ワラァ」みたいに発音するのに今まで疑問を持った方はいませんか?
waterの発音で使われているのがまさにフラップになります。
waterのtが前後の母音に挟まれており、tの発音がタ行ではなく、ラ行に変化しています。
他の具体的を挙げます。
「かかってこい」という意味のBring it onという熟語があります。
Bring it onの発音は、「ブリング イット オン」ではなく、itのtがフラップを起こし、「ブリギ ロン」のような発音に変わります。
またBring と itの間でリエゾンも起こしていますね。
他に「黙れ」という意味のShut upという熟語があります。Shut upの発音は「シャット アップ」ではなく、Shutのtがフラップを起こし「シャラップ」になります。
他のフラップを起こす代表的な表現を以下に挙げます。
better (ベターではなくベラー)
bitter (ビターではなくビラー)
atom (アトムではなくアラム)
what it (ワット イフではなくワリフ)
right away (ライトアウェイではなくライダウェイ)
以上で英語の特別な発音システムを紹介しました。リエゾン、リダクション、フラップ3つ共に英語の発音において大変重要な概念です。
しかし日本人はこの3つを勉強せずに、英語を話しています。子音、母音の発音と同様にこの3つの考え方を知らないと伝わる英語にはなりませんが、日本人は日本語独特の発音に偏って話しています。
今後英語を発音する際はこの3つを意識して話すことをオススメします。