黒猫:こんばんは。活字ラジオの時間です。今夜は宣伝づくしなんだって?

作者:まあそうだね。

黒猫:いつもそうだけどね。

作者:今夜はとくにてんこ盛りだという意味だよ。

黒猫:てんこ盛りって久々に聞いた表現だ。

作者:まずは、『黒猫の回帰あるいは千夜航路』特典PDFにたくさんご応募いただきありがとうございます! 皆さんからいただいた素敵なご感想は今後フライヤーなどの形にして活用させていただきます。もう皆さん「真夜中の目覚め」はゲットしていただけましたか?

もし特典PDFも見逃してしまった…!という方は、紀伊國屋書店新宿本店さんにて黒猫シリーズ文庫をお飼いになられますと、ペーパーの「真夜中の目覚め」がついてきますのでぜひ足をお運びいただければと思います。

黒猫:先月は発売即重版もかかったようで。おめでとうと僕が言うのも妙だがおめでとう。

作者:ありがとう。これというのも、君たちの甘い甘い甘い部分の公開を許してもらったおかげだよ。

黒猫:誰も許してないけどな。君が勝手に書いただけで。

作者:いやー感謝感謝。もちろん一番は飼い主の皆様に感謝感謝です。

黒猫:11月は例の問題の人が主人公の小説が出るんだろ?

作者:そうそう、君もたっぷりと登場している。

『心中探偵 蜜約または闇夜の解釈』(幻冬舎文庫)。

「死にたい。だけど一人じゃ死ねない」

売れない耽美小説家、華影忍はつねに死の誘惑に駆られている。そんな折、自分の理想の女と出会い、その晩のうちに心中を思い立つ。ところが、目が覚めると──相手だけが死んでおり、自分は病院のベッドにいた。しかも、亡くなった女性として見せられた写真はどう見ても一緒に死のうとした女ではない。何が起こっている? と華影は一人事件を探り始める──というものだ。

黒猫:まったくもって人騒がせな事件だった。あの人はいつも周囲の人間を巻きこむ。そもそも心中という発想から不健全だしね。もう少しまっとうに生きたほうがいいと思う。

作者:本人に言ってやりなさい。

黒猫:本人にも言ってるけどね、まるでこたえてない。いつもヘラヘラ笑っている。

作者:僕も書いていて本当にこんなクズな男はめったにいないな、と。ちなみに華影忍の10代の頃について書かれた『四季彩のサロメまたは背徳の省察』(早川書房)は読んでいなくても大丈夫な独立した長編小説です。(もちろん読んでいてこそ楽しめるポイントも盛りだくさんですが)

 

あとですね、今回も帯袖にQRコードがつきます。

黒猫:またそういうことを……。

作者:タイトルは「心中探偵、黒猫とバーに行く」

黒猫:……ノーコメントだ。

作者:どんな話なのか今から楽しみで仕方ない。

黒猫:書いたのは君だろうに。

作者:楽しみといえば、読者の皆さんにぜひご期待いただきたいのは、何と言っても表紙! な、なんと『四季彩のサロメ』に引き続き丹地陽子先生に装画をお願いしております!

黒猫:おお……それは楽しみだ。

作者:先日、完成画を拝見したんだけど、もう素晴らしいね。大人の色気が増した華影忍とそこはかと漂うハードボイルド感がもうたまらない。必携!発売日は11月9日です!(地域により異なります) さて、ところでもう一つの隠し玉……といってももうツイッターでは発表しているのだが…。

黒猫:僕はよく知らないんだ。何なんだ? 11月は『心中探偵』一作じゃなかったのか?

作者:ふふふふ、ちがうんだな。まあもう一作の話をする前に世間話をしようじゃないか。知ってたかい? 東直己さんのススキノ探偵シリーズを原作とする映画「探偵はBARにいる」の第三弾が12月1日に全国公開になる。こちらはそのホームページ。

http://www.tantei-bar.com

黒猫:かなり面白そうだ……って何だそのわざとらしい世間話は。

作者:(無視)僕もこのシリーズはすべて映画観てるんだ。先日は3の試写会に行ってきたけど、はっきり言って今まででいちばん面白いかもしれない。アクションシーンは数倍かっこいいし、大泉洋さんと松田龍平さんの探偵コンビの絡みもキレッキレ。そこに北川景子さんがつくりだした歴史に残るヒロイン像とリリー・フランキーさんのめちゃくちゃファンキーなヤクザ役……もうおなかいっぱいなところにもってきてもう後半のあのね……もう泣きそう……。

黒猫:まてまてまて。僕はまだ観てないんだ。感想はストップ。で? それが君の11月のもう一作とどう絡むのか説明したまえよ。

作者:じつは! じつは! その『探偵はBARにいる3』のノベライズを担当している。

黒猫:な、なんと……。え、君が? ええ? ていうか原作あるのにどうして…。

作者:今回の「3」は原作の一作目を基底にしつつ完全オリジナルな内容になっているんだ。

黒猫:はあ、なるほど。それでノベライズという発想になったわけか。にしても……なんで君なんだ……。

作者:そう。僕も最初はそう思った。こんな面倒くさい美学の蘊蓄を語る黒いスーツ野郎が活躍するシリーズを書いているような奴だ。ふだんの文体もだいぶ異なる。

黒猫:まあ、たしかに。君は女性の一人称視点をとることが多いしね。

作者:ただ、過去に講談社から出している『ホテルモーリスの危険なおもてなし』や『ピロウボーイとうずくまる女のいる風景』なんかはソフトボイルドの範疇だとは思うんだよ。そういう意味ではハードボイルドへ通じる血が流れていないわけではない。(一応僕のなかの定義でハードボイルドとは「語り手の内面を一切描かない小説のこと」、対するソフトボイルドはわりに内面ダダ洩れナイーブだけどハードボイルドになろうともがいている小説のこと。〈私立探偵小説=ハードボイルド〉という近年の解釈で捉えるなら、ソフトボイルドも〈広義のハードボイルド〉または〈ハードボイルドを志向する小説〉だ)

黒猫:たしかに。君は『ピロウボーイとうずくまる女のいる風景』を新たな出発点に位置付けていたよね。

作者:そう。僕のなかであれが書けたのは大きかったしね。だからこの依頼がきたとき、なんでと思いつつ手持ちのススキノシリーズを読み返したんだ。軽妙ななかにさりげなくウィットが仕込まれ、飲み心地は爽やかなのにアルコール度数はけっこうきつめの酒みたいに読了感がズシーンとくる。この文体を真似るのは無理だなと思った。人生経験が違いすぎる。でも、やってみたいな、と思った。問題は……。

黒猫:スケジュール?

作者:正解。依頼をいただいたのが8月で入稿が9月だという。

黒猫:……なかなかだね。

作者:そう、なかなかの進行だよ。それに『心中探偵』が11月9日に刊行されることがこの段階で決まっている。同時期発売になるといろいろ問題が…とかまああれこれ考えた。

黒猫:まあ考えるだろうね。

作者:でもしょうじき運命的な気はしたんだよね。映画の『探偵BAR~1,2』って僕が邦画で観ている数少ないシリーズ物だし、じつは『心中探偵』を企画したとき、ちょっと東映さんの昔のギラギラコッテリ系の、松田優作さん主演の『ヨコハマBJブルース』みたいなね。そういうコッテリ感を出していきたいな、と思っていて……。

黒猫:ようはハードボイルド路線に行きたかったわけだ。

作者:ま、年齢的にね。もともとポール・オースターの『幽霊たち』を読んだときに自分のやりたいスタイルにいちばん近いと感じたくらいだったから。

黒猫:ふうん、それなのに、よくも黒猫シリーズなんか書いたな。ぜんぜん違うじゃないか。

作者:うん。あれは生涯に一度書いて終わりのはずだったんだよ。まさかシリーズものになるなんて思いもよらなかった。

黒猫:みたいな話を明日広島でするわけね?

作者:あ、そうそう。広島トークイベントについては一個前の記事を読んでね。ちなみに来場特典が思いがけず豪華に……なんと丹地先生が表紙を!のみならず本文の文字組まで!

黒猫:うっ……こ、こっここ、このシーンを描かれてしまったわけですか……。

作者:本当に丹地先生には足を向けて寝られない…。ありがとうございます! えーと、それで、何の話だっけ?

黒猫:ハードボイルド路線に行きたくて『心中探偵』を企画した、と。

作者:そうそう。そのタイミングでこういう話をいただいて。じつは僕の受賞したときのクリスティー賞の選評が載った『ミステリマガジン 2011.10月号』が、ちょうど「探偵BAR」の一作目公開の頃で特集がずばり「探偵は“ここ”にいる」で表紙も大泉さん松田さんだったんだよね。で、大泉洋さんや東直己さんのインタビューも載っていた。村上貴史さんがインタビュアーをつとめておられる「迷宮解体新書」というコーナーで、東さんが最近ハマっている作家にポール・オースターを挙げておられて、「飄々と書いている『幽霊たち』がいいですね」と推していらして、そのときのことをふと思い出した。

黒猫:なるほど。それは何というか、ご縁だね。

作者:その雑誌に東さんのススキノ探偵の短編が二篇収録されていたので、それを拝読して面白い!となってからススキノ探偵シリーズを読みだしたという感じだった。なので、刊行スケジュールや執筆スケジュールもろもろの問題はあるけど、とにかくやらせていただきたいという気持ちがだんだん勝っていって、最終的に引き受けることにした。

黒猫:よかったよかった。

作者:で、ハヤカワさんの担当T嬢から送られてきた台本見たら、あの面白すぎる映画『キサラギ』の古沢良太さんが単独で書いておられて、最後まで読んだらこれがすごいの。もうね、何度読んでも号泣。最初は台本を書き写す作業から入ったんだけど、書き写している段階でまた号泣。家の人に気色悪がられたくらいに何度も泣いていて。

黒猫:それは相当気色悪いな……。

作者:なんだろうね、俺はこんなものは書けないという降参だよね。ここまでのヒロイン像は絶対に俺には作れない。でも、このヒロインを一度知ってしまったからには、文章でどうにか血を通してあげたい。そのくらい、日に日に俺のなかで北川景子さんが演じる岬マリという役柄のイメージがふくらんで、ふくらむたびに涙を誘うという悪循環で執筆が滞ってしょうがなかった。

黒猫:……探偵や高田はどうだったんだ? 書きやすかった?

作者:東さんの原作は以前から拝読していたし、映画も観ていたんだけど、それをノベライズするとなると、東さんのモノマネをしてもダメで。というのはやはり映画は大泉洋さんというフィルターを一回通したものなので。だから、東さんの文体を多少意識しつつあくまで大泉洋さんというフィルターを通ったあとの「探偵」、松田龍平さんというフィルターを通ったあとの「高田」を描いた。で、探偵と高田というのは文体と切っても切れない存在だから、文体さえ決まればこの二人は自動的に動き出すというところはあった。そこは反対に助けられたね。一人で書いてる感じがなかった。

黒猫:ノベライズか。やったことがないが、やはりふつうに小説を書くのとはずいぶん違うんだろうね。

作者:俺も初めてだから、自分のやり方が正解だったかはわからないんだけど、とりあえず今回個人的に考えたのは三つのMUST、①ノベライズを先に読む人にとっては、読んだあとに映画が観たくなるものでなければならない②映画を読んで補足的にノベライズを読む人にとっては新たな発見がたくさんあるものでなければならない。③それが「小説」という形式である必然性のあるものでなければならない──だったんだよ。

黒猫:ノベライズというと、映画をなぞったものと考えがちだが、そうではないと?

作者:そうだね。それだったら少なくとも俺がやる意味はない。誰がやったっていい。かと言って俺色に染めていいわけでもない。徹底的に裏方に回りつつ小説としての正解を、ノベライズとしての正解でもあるようにしていく必要があった。

黒猫:これ以上は聞かないほうがよさそうだな。

作者:聞かないでくれ。とにかく、もう映画、大傑作だったから。1,2を観てない人でも120%楽しめるし、うん、やっぱり俺はあのラストをみて…うっうっ…だめだ…語れない…。

黒猫:わ、わかった…もうこの話はこのへんでやめよう。

作者:あと関係ないんだけど、やっぱり不思議なもんでこれと「心中探偵」書き出したあたりからウィスキーばっかり飲むようになったね。

黒猫:君って形から入るんだな……。

作者:ちなみにいま、むかしの「ミステリマガジン」の表紙見ていて気が付いたけど、長女が去年北海道の修学旅行のお土産で買ってきたグラス、映画の〈ケラーオオハタ〉で高田が飲んでるときのと同じだ……。わーすごいすごい…。

黒猫:よ、よかったね。

作者:というわけで、11月は探偵月になりそうです。

11月7日、『探偵はBARにいる3』(ハヤカワ文庫)

11月9日、『心中探偵 蜜約または闇夜の解釈』(幻冬舎文庫)

どちらも、どちらも、丼ミス糸!

黒猫:……マテ、いま気が付いたぞ! 「心中探偵」の帯特典のタイトル、まさか……君、めちゃくちゃ乗っかってるじゃないか!

作者:何の話だかわからないな。では皆さん、今夜はこのへんで。また11月にお会いしましょう。

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こんにちは。

もう全然日がないのに、トークイベントのお知らせです。

助けてください…! 

このたび、広島にて「『黒猫の回帰あるいは千夜航路』発売記念トークイベント」を開催する運びとなりました。東京のイベントとの違いは、今回は完全森晶麿主導&手動というところです。

では、以下概要となります。

10月22日(日)広島

時間:13時00分~15時00分

場所:広島県広島市 中区中区流川町8-26 ロキシー会館1階

Futsalshop&Bar Ponte ポンテ

(広電宮島線 胡町駅徒歩10分)

入場:1500円(※入場特典冊子はイベント後半のサイン会のときに配布します)

※カフェバーですので、飲み物などもご注文いただけます。ぜんぜんmustではありません。

入場特典『甘い二人をめぐる断篇集─裏 Re─』

【収録断篇】

「彼女」(『黒猫の接吻』のときの裏挿話)

「バラと男」(『黒猫の薔薇』のときの裏挿話)

「再会のRAVEN」(『黒猫の回帰』の第五話の裏挿話)

「紙音(付き人視点バージョン)」(『黒猫の回帰』巻末特典「紙音」の別バージョン)★書下ろし!

 

【イベント内容】

■『遊歩』から『回帰』まで。付き人の身に降りかかったあれこれについて振り返る。

■これからの黒猫シリーズについて。皆様にイベント前日までに黒猫シリーズの今後へのご要望などをメールでいただき、その内容に基づいてコメントしていきます。

■朗読

■サイン会(お一人様一冊※今回は文庫版『黒猫の回帰』に限らせていただきます)※サイン時に入場特典をお渡しします。

なお、当日の書籍販売は予定しておりません。文庫版『黒猫の回帰あるいは千夜航路』につきましては、事前にお近くの書店さんで飼い主におなりくださいませ。

 

【応募方法】

kuroneko.since2011@hotmail.comまたはツイッターのDMまで件名を「黒猫の回帰発売記念トークイベント広島」としてご応募ください。 ※上限に達し次第募集は締め切らせていただきますのでお早めにお願いいたします。あっとほーむな感じでやって参りますのでお一人でも気兼ねは要りません。拡散にご協力いただけると助かります

【必要記入事項】

①ご氏名、②当日連絡のつく連絡先またはツイッター垢名をお知らせください。③参加人数

④黒猫シリーズ今後の要望(思いつけば応募時に。思いつかない場合はイベント当日までにお願いします)

 

では、ご応募お待ちしております!

 

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現在発売中の文庫版『黒猫の回帰あるいは千夜航路』について追加特典のお知らせをさせていただきます。


現在、紀伊國屋新宿本店さんでのみの購入特典となっております断篇「真夜中の目覚め」(『回帰』本編終了後の夜の二人を描いたものです)のPDFデータを、次の条件を満たしたすべての方にメールにてダウンロードいただけるURLを添付のうえ送信させていただきます。

 

①『回帰』本編読了の感想を10月15日夜11時59分までに写真とともにSNS(twitter、facebook、blog、instagrum等)にご掲載いただき、

そのご感想をRTもしくは何らかの媒体で宣伝ツールに使わせていただくことにご賛同いただいたうえで、

③件名「回帰特典応募」として、本文にご感想を掲載いただいたSNSのURL(twitterやインスタの場合はアカウント名でも可)と、ご掲載可能なお名前またはペンネームを添えて(例:坂月蝶子/22歳/学生等※年齢・職業なくても可)、kuroneko.since2011@hotmail.comまでメールを送信。※鍵アカウントさんの場合は一時的に外していただくか、森にメールにて相互フォローになるよう指示してください。※ヤフアドの方で過去に届きにくかった等の方はツイッターDMでも結構です。

 

確認した順にURL付きメールを送信させていただきます。なお、作者が直接メールを送信しておりますので、メールを確認できるまでにお時間をいただくことがございます。あらかじめご了承くださいませ。

 

なお紙版の特典配布は引き続き紀伊國屋書店新宿本店様でのみ、
限定で行っています。ぜひお近くの方はお立ち寄りください!


それでは多くの方のご応募をお待ちしております。

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