習い事で学ぶ集団行動

 

5歳の長男が習いごとで取り組んでいる「読み書きナビ」の参観日でした。長男と次男が通っている幼稚園の園舎で行っています。時間は1時間20分。家では周りに刺激がたくさんあるので、こんなに長い時間学習することは難しい。とても貴重な時間です。

 


参観日が始まりました。

はじめにバックの中身を机の上に並べます。並べる順番やバックを置く場所が決まっているようです。長男は、先生に言われなくても自分で正しい場所に置いています。そして、宿題を机上に置き、先生が回ってきてくれるのを待ちます。

 

先生が長男の前に来てくれました。笑顔で、

「よくできたね!頑張ってきたね!」

「この、はね の部分が素晴らしいね!」

と褒めてくれました。具体で褒めることで子どもは自分のよいところを認識できます。何より、長男はとても嬉しそう。学習への意欲が高まります。

 


机上には自分の名前が漢字で書かれたカードが置いてあります。そのカードを先生が回収します。カードをフラッシュカードにし、子どもたちに見せます。自分の名前が書かれたカードが出てきたときに、その子は返事をします。ここまでは意欲的だった長男でした。しかし、フラッシュカードで友達の名前が出てきたときに、間違えて返事をしてしまいました。

 

 

長男の心の中を読むと、

「お母さんとお父さんに、かっこいいところを見せよう!」と意気揚々と取り組んでいたのに、はじめからまさかの失敗。ああなんてこった…もうだめだ…

といった感じでしょうか。間違えてからは、机に突っ伏して取り組まない。「帰りたい」が始まります。

 

 

彼のこの感情は様々な活動で発動します。

一度こうなってしまうと、元の状態に戻るまで時間がかかります。周りがおだててもなかなか復活しません。失敗を受け入れることがまだまだ難しいようです。それの加えて、周りの様子をよく見ているので、自分と友達を比べ、「自分はダメだな」と思っているようです。5歳児でも大人みたいな考えをするんですね。このような経験を積み重ねていくことで、打たれ強く、ちょっとやそっとのことじゃへこたれない心が育っていくことを感じます。最初から全てうまくいくわけがない。うまくいく場所にしかいなければ、失敗を受け入れる力は育たない。周りと自分を比べることで、自分の弱点だけではなく、素晴らしい点に気付くことができるはず。こうして習い事を通した集団での学びの場で、子どもは実に多くのことを考え、学んでいることが分かります。「読み書きナビ」なので、文字を読んだり書いたりすることが活動内容です。しかし、子どもが学んでいることはそれだけではなく、先ほど書いたように、生活する上で必要なことをたくさん学んでいます。これは家で親がマンツーマンで教えてもなかなか学ぶことができないことです。小学校に進学をすると、30人~40人の集団の中で生活や学習をします。ですから、小さいうちに集団行動に慣れ、その中で力を発揮できるようにすることは、その後の成長に大きくつながると感じています。

 

 

私は次男と一緒に途中退室。

次男が幼稚園の園舎を案内してくれました。次男が通っている教室や下駄箱を教えてくれました。「ここで毎日生活しているんだな」と思うと、ちょっと不思議な気持ちと嬉しい気持ちになりました。


 

後から妻に話を聞くと、長男は後半に気持ちを盛り返し、頑張ることができたようです。きっと先生も気にかけて声をかけてくれたんだと思います。