先日、横浜市内のスポーツセンターの体育館を借りて、親子フットサルをしました。4歳の長男の友達を中心に8組の家族が集まり、約25人でボールを蹴りました。子どもは、幼稚園年少から小学校5年生までの約15人。小学校の教師をしている私ですが、これだけ年齢に広がりがある集団を指導することは初めてでした。様々な年齢の子どもや大人が「全員楽しかった!」「ボールを蹴るのが少しうまくなったかも!」と思ってもらえるように内容を工夫してみました。

 

 はじめに、おにごっこをしました。いつもより楽しいおにごっこにするために、「クッパのお面」を作り、おにの子に付けてもらいました。クッパから逃げることで、子どもたちの意欲は高まっていたように感じました。おにを大人にもやってもらうことで、難易度を徐々にあげていきます。体があったまったところで準備体操。ここでは、最年長の5年生のお兄ちゃんに体操を仕切ってもらいました。集団の一番年上の子をリーダーにすることは、小学校でもよく行います。任された方は「頑張ろう!」という気持ちをもちやすいし、見ている子たちも「自分も大きくなったらあんなお兄ちゃんになりたいな」と憧れをもちやすいです。

 

 次にシュートをしました。とにかく「楽しい雰囲気をつくること」を大切にしたかったので、「画用紙で作った特大クッパ」をゴールにぶら下げ、クッパにボールを当てるシュート練習にしました。ゴールポストからボールを転がし、転がってきたボールを子どもたちは思い切りシュートします。ボールがクッパに当たる度に、子どもや大人から歓声があがりました。続いてパスです。ここでは親子で取り組みました。5~6m距離をとり、対面でのパスをしました。名刺よりも少し大きいカードを使って、顔をあげてパスをすることを練習しました。カードは8枚あり、マリオやスター、カブトムシやクワガタムシの絵が描かれています。大人は子どもがボールをとめたタイミングで、いずれかのカードを子どもに見せます。子どもはカードに描いてある絵を見て、描かれている絵の名前を言ってからパスをするというルールです。フットサルやサッカーの基本は「とめる、蹴る、運ぶ、そして みる」です。「みる」ことは当たり前のことですが、一番大切。これはフットサルやサッカーに限らず、よりよい判断をして生きていくためには、「みる→認知⇒判断」が必要。そのはじまりは、「みる」です。私がペアを組んだ年長さんの男の子は、カードの絵をしっかりと見て、上手にパスをすることができました。

 

 最後に試合をしました。幼稚園チームが2つ。小学生チーム1つ。大人チームが1つの合計4チームでの試合です。幼稚園チーム同士の試合では、ドリブルが上手な子が、自陣からボールを運んでシュートまでいくという流れが多かったです。長男は、数カ月前よりもドリブルがかなり上達していて、自陣からボールをある程度運べるようになっていました。毎日のように家を壊しながらドリブルやシュートの練習をしている成果が表れています。ただ、この日は泣き虫スイッチが入っていて、ボールが当たったり、転んだりするたびに大泣き。サッカーの技術と共に、精神面での成長が求められます。大人チームはお母さんたちが中心。この日はお父さんが私も含めて3人。それ以外はお母さんでした。はじめは遠慮がちでしたが、徐々にヒートアップ。慣れてくるとパスも回るようになりました。

 

 帰宅後、長男がノートに振り返りを書き始めました。いつの間にか文章を書けるようになっていて感心しました。ドリブル、シュート、パスが上達していることを自分でも感じているようです。はじめにドリブルを書いていることがドリブルへの意識の高まりを物語っています。さらに、「おとうさん、すごいね、おめでとう」と書いてくれました。「どういう意味?」と聞くと、「今日はお父さんがみんなに教えたり、動き回ったりしていたから一番すごかったよ」と教えてくれました。親子フットサルの時間に、長男は私のことを見ていたことが分かり、親子や異年齢で活動をすることの意味や価値を改めて感じさせてくれました。