習近平氏、

世界分断にらみ「強国」急ぐ

中国共産党大会

権力集中 個人崇拝

 

2022/10/16

 

 10月16日(日)に開幕した中国共産党大会の活動報告で、習近平総書記(国家主席)は「強国」建設への意欲を前面に出した。中国はハイテク技術などを巡って米国との対立が深まる。中長期的な世界の分断をにらみ、海外に依存しない先端技術の開発や高度人材の育成を急ぐ。

 

「核心技術の争奪戦に勝利せよ」 
 今後5年間の重要目標として、海外に依存しないハイテク技術の開発を加速させることを掲げた。技術力を持つ中小零細企業の成長を促し、優秀なエンジニアなど高度人材の育成でも国際的に優位にたてる「製造強国」を目指す。
 

「低所得者の収入を底上げする」
 経済社会政策として重きを置いたのが、格差の縮小をめざす「共同富裕(共に豊かになる)」政策だ。税や社会保障を通じた分配の強化で低所得者の収入を底上げし、4億人超とされる中間所得層を増やすとした。

 

「中国式現代化を人類に提供」 
 「中国式現代化」という概念を強調した。「戦争や植民地支配、略奪など発展途上国を不幸に陥れたかつての現代化の道は歩まない」として、植民地時代の欧米諸国などとの違いを訴えた。

 

台湾統一 武力放棄せず

 台湾問題については米国などには厳しい姿勢を示すが、台湾の人々を取り込む思惑もみせた。武力行使を選択肢としつつ「対象は外部勢力からの干渉とごく少数の『台湾独立』分裂勢力およびその活動であり、決して広範囲な台湾同胞に向けたものではない」と強調した。