「ペンは剣より強いんだ
ペンで戦わないでどうする。」花森
「暮らしの手帖」表紙画1枚1枚に
花森さんの魂が宿っていました。

  5月21日(日)、碧南市の藤井達吉現代美術館で開かれている「花森安治の仕事」展を見に行きました。東京で開催し、2番目は愛知のここで、そして今日は最終日でした。最終日で、大混雑で「見逃したはなるものか」という人々でごった返していました。今後、全国を巡回します。愛知で見逃した人は、高岡市や盛岡市で見ることができます。
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 「花森さんは誰も真似のできないのは、すべて一人でこなしたこと」だといいます。企画し取材し、原稿を書き、レイアウトをして「暮らしの手帖」に仕上げます。商品テストを発案し、実際に使ってテストし実名で公表しました。公正さのため広告は一切載せない「暮らしの手帖」の方針は今も続いています。
 今回の展示で感動したのは「暮らしの手帖」編集長として手がけた30年間分の表紙の原画です。画家、花森画伯です。水彩画であったり油絵であったり、パステルt画であったり、特に花森さんの筆遣いがよく分かる油絵が目を引きつけました。それらのものを中心に丹念に見て回りました。紙面紹介などの原稿は、自筆の文字と写植の文字やカットが巧みにレイアウトされていて、のり付けされた原本は作業のようすがわかるもので興味をそそられました。
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碧南市藤井達吉現代美術館入口、遠方は清沢満之記念館の建物


 また、「一銭五厘の旗」(庶民の暮らしの旗)の実物展示。その旗に込められた戦争や人々の暮らしへの思いが伝わってきます。「戦争中の暮らしの記録」の書籍の表紙の写真にある黒焦げの花森さんの手帖の実物展示も引きつけられます。 
 これらを見てから、学生時代、戦時下活動の展示を見ました。戦争に対する後悔、2度と騙されてはならない決意がそこにありました。一銭五厘の葉書で国民を戦争に駆り出し暮らしを奪った国家に、今度こそ「困ることをはっきり言う」ことで、自分たちの暮らしを守ろうと訴えています。たいへん良い展覧会でした。これからも「暮らしの手帖」を購読し続けたいです。