着物のマニアックなお話の続きです。

このポツひとつづつに1秒...の一万倍、数万倍の労力が、

型友禅の昔からの職人さんの究極の業であることは前回書きましたが、

これも手作業で型どりされたと伺って、

腰が抜けそうになりました。

これ、手作業です。

もう、ここまでの彫りをできる人間国宝級の職人さんも、

あまり居ないのだそうです。

これは、こちらで保存されている、

とても古い型です。

そして、ここまで細かいと塗料が詰まるので、

こんなに大変な作業に三カ月もかかったのに、

反物は少ししか染められないのだそうです。

 

 

触らせていただくと、

わりと固い厚手の和紙でした。

この和紙に染料をのせて

染め上げていくわけですが、

 

染料は、こちらの「糊」に混ぜてまいるそうです。

そこで伝統工芸士でいらっしゃる社長さん曰く、

「舌切り雀がなめていた糊は、この糊の昔のものですよ」と。

 

ははーん、そうかー。

原料はお米なのだそうです。

深い...深すぎる。

おもわず幼稚園の時に演じた「舌切り雀」が蘇りました。

実話(笑)

 

 

 

そして、すぐに染料入りの糊染料は、

「一瞬ですから、カメラ連写してくださいね。」

と、

濃い灰色の柄に染まっていきました。

早かったですよー、このヘラさばきっ。

 

 

で、もっと衝撃を受けたのが、

当然...反物になるのですから、こんなふうに長い長い反物になるのですから、

お隣同士の柄がぴったりと合わないと連続柄になりませんでしょう。

 

 

 

それを彫るのも人間ですが、

この「凸」と

この「凹」が、合うように計算して左右彫るそうなのです、

あのミニチュア日本刀で...。

手で。

データなんて無いわけですよ、

京友禅の世界にはね。

 

ああ。

もう、信じられない神業ですよね。

 

 

クラクラしました。

はい、では今回、ここまでにいたします。