2020年 摂食障害治療ため専門病院に入院した時の娘の記録です

 

2020年・冬 専門病院に転院して半年が経ってました。

この頃は退院にむけて、家での生活、学校での生活に慣らしながら体重の管理、

維持していく練習が治療の主となってました。

 

 

しかし、食事面は病院では問題なく3食・時間内に完食できるのですが、

家では出来ませんでした。

 

 

1日最低2200カロリーは摂るように言われていたので、朝600、昼700、

おやつ300、夜600を目安にメニューを考え作ってましたが、スムーズに食べた

事はありませんでした。

 

病院では220gの白米を食べているのに、家では100gも食べません。

その分を副菜で摂らなくてはいけないのですが、揚げ物はNG。お肉は

鶏肉のみ。麺類やカレー、シチュー等も嫌がり、メニューにとても苦労しました。

 

茹でた野菜やササミで2200カロリー摂取なんて到底無理でした。

 

 

主治医から娘には

「家での食事には一切口出ししない。お母さんが出したものを食べること」

と指示が出ていましたが、何も言わずに食べたことは一度もありませんでした。

 

私も断固とした態度で接して、娘の言いなりにならないように言われていましたが、

作ったものを見ては泣かれ、盛り付けたご飯の量を見ては泣かれ

 

「食べれない・・・」

 

という言葉だけは出ないように、ついつい食べやすいメニュー、食べやすい量に

調整してしまってました。

 

こんな調子では当然体重は増えないどころか、家に帰ってくると減少しまい

退院にむけての不安は益々大きくなる一方でした。

 

 

この年の年末年始。入院して初めて1週間を家で過ごすことになりました。

当然ながら学校も休みだし、コロナ禍で出かけるところもないし・・・

 

一週間、1日3食の食事の用意を考えただけで気が重くなりました。

 

娘は当時、食事の際はご飯もおかずも汁物も果物も・・・

その時の食事に出すものすべてのカロリー表示を把握できないと

食べることができませんでした。

 

そしてキッチンスケールで1g単位まで計量し、計算し、自分で納得のいく

量や盛り付けにするまで何度でも盛り付け直しました。

 

なので食事にかかる時間がとてつもなく長かったです。

1食に3時間かかることもありました。

朝食が終わったと思ったら、もうすぐに昼食の準備。昼食が終われば

おやつを考えなくてはいけない。おやつの次は一番食べ渋る夕食の準備・・・

 

ほぼ1日中娘の食事のことを考えてました。

暇さえあれば「野菜・おかず・ヘルシー」で検索をかけ

ヘルシーそうにみえて意外とカロリーが摂れるものを探す日々でした。

 

 

 

そんな年末年始の大晦日の日でした。夕飯の時に

大晦日くらい、楽しく食べたい・・・

大晦日くらい、ゆっくり休みたい・・・

私の頭のなかでふとそんな考えがよぎりました。

 

目の前では娘がキッチンスケールを凝視して、ご飯を盛ったり減らしたりしてる。

スケールのデジタル表示が100になると慌てて減らす。

80とか90だと少しずつまたご飯茶碗に盛る。

これを何回も繰り返す。繰り返すうちにしゃもじからご飯が床に落ちました。

 

それを見た瞬間、私の中で何かが崩れました。

それまで黙って計量の様子をみてましたが、ご飯が床に落ちた瞬間

 

「いい加減にして!! 何回計れば気がすむの!? なんで病院では220gのご飯が

食べれるのに家だと食べれないの?何が違うの?」

 

と叫んでました。一旦言葉に出してしまったら私の中で溜まっていた娘への

不満が次々と溢れてきてしまいました。

 

「病院のご飯しか安心して食べれないならもうずっと入院してるしかないよ!

学校にも行けないし、家族で外食も出来ないし、第一食事に毎回何時間もかけていたらママは働けなくなるよ!こんな食べ方、病院でしたら怒られるでしょ!?」

 

言ってはいけない事、言わなくてもいい事だとわかっていてもこの時は理性が

働きませんでした。

 

泣きながら次から次へと娘を攻撃するような言葉を投げつけてしまいました。

 

娘は何も言わずにしゃもじとご飯茶碗を持ったまま立ってましたが

 

「私だって家のご飯食べたい・・・でも怖いんだよ・・・病院のご飯だって安心して

食べているわけじゃない。病院のご飯だって怖いんだよ。でも病院だと食べるって

いう選択しかないから・・・食べるしかないんだよ」

 

そう言ってキッチンから出て行ってしまいました。

私は何も言い返せませんでした。

 

摂食障害。娘の背負ってしまった病の大きさを改めて実感した日でした。

そして娘の気持ちに寄り添えず、感情をぶつけてしまった自分を情けなく思いました。

 

この大晦日の夜、娘は自分のベットに潜り込んだまま出てきてはくれませんでした。

長女が何度か声をかけ、説得してくれてメイバランスだけは飲んでくれましたが

ずっと泣いていたようです。

 

最初から私が毅然とした態度で家での食事の管理をしていれば良かったのです。

病院と同じように「食べる」という選択肢しか与えなければ娘はもっと楽だったと

思います。

私の間違った対応が娘を余計に苦しめていました。

 

どんよりとした気持ちのまま除夜の鐘の音を聞いた事を今でも覚えています。

切なく、苦しい夜でした。

 

 

 

 

 

しばらくブログから遠ざかってたので、週末、皆さんのブログを一気に

拝見しました。

この1か月で皆さんにもいろんな事があったんだなーと思いながら読ませて頂きました。

そして、日々、物事は進んでいる!と感じました。

嫌な事も不安な事もきっとずっとは続かない!

少しづつ前へ前へと動いていく。

 

皆さん悩みや課題はそれぞれだけど、皆さんが頑張っている様子がブログを

通してわかり、私もまた頑張ろうと思えました。

 

これからも皆さんのブログにお邪魔して元気を頂きながら頑張ろうと思います!