口から零れ落ちるそばから

消えてしまう言の葉を掬い上げて
小さな水槽に閉じ込めてしまいたい。




残響 水に溶けまた見送る。
酸素を吸いまた次の言葉を紡いだ刹那に
青に透明に空気に解けて消えてしまう。

 

 



早く。
泡のように転がってゆく言葉たちの
その温もりが残るうちに
君の声の記憶がまだ残っているうちに




ただ丁寧に残しておきたい響きを
反芻するには足りないこの手では足りない
指の隙間をすり抜けるように行ってしまう
いつも
それは泡沫の星々のようだった。