メッセンジャー 永遠の炎 ‥ 16 | inca rose*のブログ

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…だから、ここのところをよく聞いておくように!」
ダスカロスは厳しく言った。

「宇宙全体にわたる闇夜というものはまずないということである。なぜなら、絶対の中の絶対の永遠の創造状態においては、宇宙の発生も成長も消滅も、どれ一つ欠けている時期というものがまったくないからである。それと同時に、創造界においても社会の中に生まれてくる人、成長している人、死んで去ってゆく人、そのどれかが欠ける時期というものも決してない。大宇宙にあるごとくに小宇宙にもある、ということである。

人によっては宇宙の夜と昼を話す者がいるが、それも、まさに今この時点で、あるところでは宇宙的夜であり、あるところでは宇宙的昼であり、神のドラマ、神の交響曲が永遠に繰り返し上演され、これまでに創造活動が行われていなかったことはなく、それがない時期というものは決してあり得ないのである。

絶対は永遠に自らの内で瞑想し、自らの表現ーつまりマインドを通してノエティック宇宙界、サイキック宇宙界、エーテル宇宙界、そして物質宇宙界を具現化したーを喜んでおられるのである。」


◆サイコノエティック体形成

「まだほかに質問は?」と、部屋を見回してコスタスは促した。
「己を知ること、つまり内なる自己を自覚し自己認識することが、三体を自由に駆使できるようになる前提条件ですか? それとも、己を知ることを成就する前に三体をマスターすることが可能ですか? たとえば、気づきの道に進むことなくヒーリングのやり方や様々な身体を利用する方法を学ぶことが可能ですか?」と医者のパノスが尋ねた。

「黒魔術師はどうなんですか?彼らの身体を発達させることなく悪魔的なサイコノエティックの離れ技を行っているということですか?」と私は尋ねた。

「黒魔術師はサイコ・ノエティック体を発達させてはいません。それはありがたいことです」と、笑みを浮かべてコスタスは答えた。

「それでは、なぜ彼らはあのような能力を持っているのですか?」

「まず、彼らの能力には限界があります。非正統的な手段、つまりサイキックなテクニックを使って利己的な目的のためにマインドを御用しているのです。もちろん、実際には自らを傷つけているのです。高いレベルの師は、いわゆる黒魔術師を支配する能力を持っています。彼らはまったく無知な連中で、マインドという神聖な授かりものを乱用しているのです。彼らの存在が許されている理由は、悪の存在が許されているのとまったく同じで、分離の世界でのバランスのためなのです。われわれは二極性の世界、つまり因果の世界の中に生きているのです」

コスタスはなおも主張する。
「悪の存在は調和とバランスを正当化します。それは、罰として罰のために存在しているのではありません。それはルシファーの部類で、われわれが悪の奉仕者と呼ぶ者たちは実は、分離と二極を支配する大師なのです。また、彼らはこの分離と二極性の世界を監督している大天使なのです。彼らはわれわれのための奉仕者なのです」コスタスは彼独特の動作で心臓を指差した。

「たぶん、悪の存在はわれわれを刺激し、善に向かわせるためなんでしょうね」とマリアが言った。

「そうです。悪が存在しなければ、善が何なのか、われわれには分かりません」

マリアが反応する。
「その理屈を受け入れるのは、私には難しいのです。調和とバランスが存在するためには、善があればあるほど、悪もなければならない、とおっしゃっているのですか?」

「そうです。まさにそのことをわれわれは言っているのです。この原理は創造界全体、全宇宙に存在しているのです。この法則が作用していない時はまずありません。しかし、われわれにとっての目的は、この因果の法則を超越し、分離の世界を超えることです」…

「まだ理解できません」と言いマリアは続けた。「もう少し話を簡単にして質問してみます。もし、この惑星において人間が絶えず進化し完成に近づいていくのであれば、一体、誰が悪を行い、それはどんな形で現れるのですか?」

「われわれが創造界で唯一の存在ですか? 宇宙は数々あり、それは、神の宇宙という無限の中で一粒の砂のような地球と、そこに住むわれわれだけでしょうか? われわれはこの一粒の砂の上で罠にかかっているわずかな存在です。そんなわれわれが唯一存在している者といえますか?」

「おっしゃっていることが理解できました」とマリアはうなずいた。
「それですと、この惑星上での人生の質が向上し、悪がもはや現れない時がやって来ると仮定してもいいですね?」

「もちろん」とコスタスは真面目に答えた。「それがわれわれの目的であり、ゴールです。もし、このような可能性がないのであれば、そもそも真理の探究とは一体何のために行うのですか? ロゴスはなぜ降臨されたのですか? なぜ、こんなにも多くの師がこの惑星に来てわれわれの悟りと完成の様々な道を示しているのですか?」

「しかし、コスタ、野蛮人なくしてわれわれはどのようにして生きることができますか?」と、相当強い皮肉を込めて芸術家のグラフコスが質した。グラフコスは、アレキサンドリアの詩人カヴァフィによる、「野蛮人」なくしては、われわれは何者であり、何をなすべきか分からないであろう、という有名な詩をほのめかしているのだ。

「いいかい、グラフコ、われわれは野蛮人も二極分離も必要としない地点に到達するのです」と、コスタスは笑みを浮かべて答えた。











『メッセンジャー   永遠の炎』
(「メッセンジャー」第Ⅲ集)
著.キリアコス・C・マルキデス

から抜粋。