【リー】
生きる為に、必要ならば。多少の犠牲は仕方のないものだ。
いつかの、自分の言葉。
誰に言ったのかはもう解らない。
目の前に横たわる腐敗した死体を麻袋に入れて、トラックの荷台に放り込む。
腰と太股、二の腕に力を入れて死体を持ち上げる、と言うのを繰り返していると意外と骨が折れる。
・・・今日、何体目だったか。それすらも、もう解らない。
「・・・」
只、一つ回収した死体に現れた異変についてはきちんと記憶 しているが。
「どう思いますか」
作業着についた誇りを払いながら、アキナリが首をかしげている。
「どう」というのは、死体についてだろう。
「・・・盗られている箇所は・・・食べやすい、箇所だろう」
「食べやすい・・・じゃあ、やっぱり・・・」
「ああ」
「・・・報せるべき、でしょうか」
・・・こう言うとき、アキナリと言う人間は、まともだと熟、思う。
生真面目で、人間とは本来こう言うものだと。
「リーさん?」
自分は何時から、
人としてのネジが緩くなってしまったのかと、
内蔵の無い死体を踏み潰して、思った。
【attention】
このページは、nicolによる小説置き場となっております。
多少、女性向けと思われる表現もございますので読まれる際にはご注意ください。
【up】
7月16日・・・ブログ作成
