
ここハワイでの、美しい夕日を見ることができた。
日本で見るよりも、一回り大きい太陽が、ゆっくりと沈んでいく様は、
私たち二人は、心を奪われ、言葉を失った。
手をかざすと、隙間から漏れる太陽の光。
心がこんなにも穏やかになるとは、
思いもしなかった。

夕日を見ながらも、我々の息はあがっている。
なぜ、全速力で走ってこなければならなかったのか。
それは、今日一日を朝から振り返る必要があるだろう。
今日は、再びマリンスポーツを体験する。
パラセイリングと言って、パラシュートを背負った人間を、
海を走るボートが引っ張っていくというものだ。
人生初のこのスポーツ。
我々に何も起こらないはずがない・・・
待ち合わせ場所には、新たなガイドがいた。
焦った様子でスタッフと話をしているではないか。
どうやら、遅刻しているペアがいるようだ。
暑いので、車の中で待機させてもらったが、
なかなかこない。
どこにでも、時間のルーズな人間はいるもんだ・・・
ようやく集合し、目的地へと出発。
そんな先行き不安なツアーの始まりであったが、
やはり、今日一日は・・・
現地では、パラセイリングをするグループと、
ジェットスキーをするグループに分かれている。
まず先に、ジェットスキーが始まるようで、
私たちは船の上で待機となった。
とても良い気候である。
まさにマリンスポーツ日和と言える。
特にすることもなく、我々は、
ぼーっとジェットスキーを眺めていた。
ああいう乗り物は乗り手の性格が出るものだな・・・
なぜだろう。
先ほどまでとても大人しそうだった、新婚カップルの、
旦那さんが、今、
目の前を猛スピードで走っていった。
移動の車の中では、静かに座っており、
とても優しそうな男性だったが、
一度ハンドルを握ると、
こうも変わるものなのか・・・
あ、
今、
はしゃぎすぎて、インストラクターの外人に、
怒られた。
そっちはいってはいけないよ、ご主人・・・
といった様子を、我々夫婦は、
こっそり楽しんでいた。
そんなこんなで、ようやくパラセイリングができることとなり、
我々は、小さなボートで目的地まで運ばれるのであった。
これは・・・
意外と・・・
波が・・・
うう。。。
これでもかという荒波を、小さなボートは、
転覆寸前で猛スピードで駆け抜けていった。
そう。
夫婦揃って。
船酔いするとは・・・
パラセイリングを始める場所に着く頃には、二人とも、
ぐだぐだである。
特に、私の妻はかなりきついようで、
顔色も土気色と化していた。
まさかの・・・である。
インストラクターも尋常でない妻の様子に、
心配をしていたが、
ここで何もさせずに帰すわけにはいかないと思ったのか、
片言の日本語で、
「山の方 見てクダサイ」
「少し マシにナルカラ」
この大海原のど真ん中で、はるか彼方の山を見て、
何になるのだ・・・
そんなことは飲み込んで、気合いを入れ直す、我々だった。
私たちの他に、体験する夫婦は2組おり、
最後を選んだ我々は、皆が無事にこの青空に飛んでいくのを、
見送っていく。
キャーキャーという声が聞こえる中、
必死でこみ上げてくる何かと戦う我々に、
もはやパラセイリングなんて、
どうでもいい。
と思うのであった。
しかし、我々とて、新婚カップルの端くれである。
メンツをかけて、ふがいない結果に終わるわけにはいかない。
最後の力を振り絞って、
さも楽しげに空へと浮かび上がったのだ。
かなりの上空で停止したとき、眼下に広がる、広大な美しい海。
最高の天候に恵まれた、澄み切った青空。
これほどパラセイリング日和はないだろう。
しかし、上空では船酔いした夫婦が、
言葉にならないうめき声を上げながら、
ただ風に流されているだけとは、
下のボートにいる誰も、
知る由もない。
そう、私たちはメンツを守ったのだ。
浮かび上がる時は最高の笑顔で。
上空に上がれば、もはや頭の中は、
はやく降りたい。
そればかりである。
まさに、熱い戦い。手に汗握るとは、こういうことだろう。
途中、気持ち悪さに意識を失いそうになりながらも、
「楽しかった!」
と笑顔で戻ってきた我々は、まさに、
最強の強者であろう。
それこそ歴史に名を刻むほどの。
そう、それが 我々なのだ。
長くなってしまったので、この日の続きは、⑤まで待たれよ。












