ミスターメルセデス シーズン1-1嘲笑う男 | 映画好きブログ

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ミスターメルセデス シーズン1

アメリカ/2017年/TVシリーズ

 

原作:スティーブン・キング

製作総指揮:デビット・E・ケリー

 

◾️introduction

あの”ホラーの帝王”であるスティーブン・キングが初めて挑戦したサスペンス小説を完全映画化

シリアルキラーと元ベテラン刑事の息飲む攻防戦!

既にシーズン3まで放送されている人気海外ドラマ!

 

 

◾️story

舞台は2009年のオハイオ州

市主催の就職フェアに夜中から多くの求職者が長蛇の列で並んでいる。

一番乗りを期待した男性は、既にできた長い行列にげんなりしつつも、

前に並んでいた赤ちゃん連れの感じの良い若い女性と世間話を始める。

赤ちゃんを預ける事が費用的にも難しく、ここに連れてくるしかなかったと。

この会話や人々の殺伐した暗い雰囲気からもアメリカの景気が低迷してる事が感じとれる。

実際2008年9月に発生したリーマンショックの影響でこの時期はアメリカは景気後退が深刻化していた。

皆コートを着ている事から秋か冬の寒い時期なのであろう。

夜中とあって多くの人がうとうとと仮眠をとっていたが、先ほどの赤ちゃんが大きな声で泣き始める。

周りの人達のイライラを感じ取って焦る母親だったが、オムツの交換が必要な赤ちゃんに対し寒空の中なす術なく途方に暮れていたが、

先ほど話していた男性が自分の寝袋を貸すと提案してきてくれた。

この行為がのちに起こる悲劇をより印象づける事となるのだが。。

男性の助けもあり、寝袋の中に潜って赤ちゃんのオムツを取り替え始めた母親。

暗い殺伐とした中でも心温まる交流。

そこへ1台のメルセデスベンツが近づいてきて、多くの人が並んでいる列を不気味に監視し始めたかと思うと、

今度はハイビームでその列を照らし始めたのだ。

不審がる人達が口々に不満を漏らしている。

メルセデスベンツの運転手はあらかじめ用意していたピエロのマスクを手に取り、息を整え始めた。

ハンドルに置かれたビニール手袋を履いた手が、何かを決意したかのように改めてハンドルを強く握りしめる。

クラクションを大きく2回鳴らしたかと思うと、何とその瞬間猛スピードで人々に向かって突進したのだ。

多くの人が車に轢かれ、血しぶきで車がどんどん赤く染まっていく。

そんな中、先ほど寝袋で赤ちゃんのオムツ交換をしていた女性を寝袋ごとなんとか引きずり助けようとしていた男性の背後に

無情にもメルセデスベンツが。

泣き叫ぶ女性を寝袋ごと容赦なく赤ちゃん共々轢き殺す犯人。

そしてその女性に親切にしていた男性も、その悲劇を目の当たりにした直後自らも被害者に。

 

多くの人が倒れている中、救急隊員が重傷者を担架に乗せて運ぶ場面。

ここでこのドラマの主人公である、このシリアルキラーと対峙する事となる刑事ビル・ホッジスが登場する。

アイルランド人らしい恰幅のいい、ヒゲをたくわえた根性のありそうな刑事。

ホッジスを演じたブレンダン・グリーソンはあのハリーポッターにマッドアイ役で出演していたアイルランド出身の俳優

あまりの惨状にショックを受けるホッジスに同僚の刑事が近づいてきて死者は16人、負傷者数はその3倍だと告げる。

多くの死者が横たわる中を険しい顔で歩くホッジス。

そこで寝袋に包まれた状態で亡くなっていた赤ちゃん連れの女性に目をやり、その寝袋の中を確認するが、すぐさま顔を背ける。

痛ましい状況なのであろう。

同僚刑事は運転ミスを疑うが、ホッジスはこれは運転ミスなんかではないと強い口調で反論する。

 

 

ー2年後

伸びきったぼさぼさの髪のホッジスがテレビの前で寝ている。

傍らにはビールの空き缶が乱雑に置いてある。

警察を半年前に退職し、酒を煽る日々を送っているようだ。

久しぶに元同僚とランチに行く約束も忘れ、その同僚からの電話で起こされる。

唯一の話し相手の大きな陸ガメのブレットに餌をやり、やっとのことで出かける準備。

急激に太ったのであろうか、シャツのボタンが閉まらない、ベルトの穴が足りないなど、口から出る言葉は不満ばかり。

奥さんとも離婚し、あの敏腕刑事だった頃とは見る影もない状態。

レストランで元同僚刑事と久しぶりの再会でも、一気に風采の上がらないただのおじさんのような風情となってしまったホッジスに元同僚刑事も思わず顔をしかめる有様。

第一線で活躍している元同僚とは違い、張り合いのない淡々とした日々に虚しさを感じるホッジスであった。

 

”スプリーム・エレクトロニクス”のロゴ付きの車の中で音楽にのりのりになっている一人の若者。

外出から会社に戻ってきたようで、赤毛のトランスジェンダーである女性の同僚リーから「ブレイディ、どうだった?」と声をかけられる男性。

そう、この男ブレイディ・ハーツフィールドこそ、メルセデスベンツで多く人を殺した犯人なのである。

2年間捕まりもせず平然と日々を過ごしているのだ。

 

ランチから帰ってきたホッジスにお隣さんのアイダが荒れ放題の庭についてホッジスへ文句を言いつつも、ディナーのお誘い。

ホッジスは意外とモテキャラという設定なんです

アイダはディナーの間中、ホッジスに私生活について根掘り葉掘り聞いてくる。

しまいには自分の裸の写真を見せてきてセックスをしようと言いだし、それには慌てるホッジス。

ディナーから帰ってきたホッジスは、唐突なアイダの態度に疲れを感じながらも自室でメールのチェックを始める。

その中にミスターMという差出人からのメールに目が止まる。

心当たりのない送信先からのメールを開けるのは躊躇するものの、ホッジスはそのメールを開封する。

PCの画面にあのピエロの被り物をした人物が映し出されたのだ。

「どうも刑事。刑事と呼んでいいかな。あんたはもう退職したけど。。。」

ホッジスの現状を深く知っているような口ぶり。

そしてあの2年前の惨劇の被害者の写真に悪意のある加工を施し、挑発するような内容の動画に戦慄を覚えるホッジス。

短い動画は最後「待ってろよ。。ブレットによろしく」と締めくくられ、その動画は自動的に消去されてしまった。

自分のペットである亀の名前も知っているという事は、自分の身近にこの不気味な動画を送ってきた人物がいるという事。

思わず隠していた銃に手を伸ばすボッジス。

そう、これが2年前に惨劇を引き起こしたシリアルキラーであるブレイディ・ハーツフィールドとホッジスの因縁の第2の幕が開けられた瞬間である。

 

翌朝、そのメールのせいで悪夢にうなされるホッジス。

目を覚ますと、芝刈り機の騒音が。

庭に目をやると、ホッジスの庭の芝刈りをやっている青年ジェロームが。

ジェロームは近所に住む秀才。来年にはハーバード大学への進学が決まっている。

パソコンに疎いホッジスは昨日の消えてしまったメールについて彼に調査を頼む事にした。

 

一方仕事から昼休憩で自宅に帰ってきたブレイディ。

自宅には昼間からお酒を飲んでだらしない格好をした母親が。

ブレイディに妙にスキンシップを求める母親。

母親に隣に座らされたブレイディは、自分の親指を血が滲む程引っ掻いている。

母親から無理矢理キスを求められるが、そのキスも何やら親子のキスを超えたものであった。

ブレイディの股間に手を伸ばす母親。

その手を払いのけるブレイディだったが、自分の部屋に入った途端その母親を思いながら自慰行為を行う。

かなり屈折した親子関係のようだ。

会社に戻っても上司ロビィから嫌味を延々と受けるブレイディ。

また血が滲む程親指を引っ掻いている。

ブレイディにはどこにも心を落ち着けられる場所がないようだ。

 

昨晩のメールに嫌な胸騒ぎを覚えるホッジスは元同僚の刑事にそれとなく2年前の事件の進捗について確認をする。

捜査はやってはいるようだが、日々起こる多くの事件に忙殺され、刑事たちの関心が薄らいでいるのは明らかであった。

新しい情報と言えば、メルセデス事件で使われた盗難車の持ち主であった女性が自殺をした事くらいであった。

その夜自宅のパソコンで事件について調べていたところ、広告に見覚えのあるスマイルマークが。

事件で使われた車の運転席に貼り付けられたスマイルマークと似たマークであった。

不審に思ったホッジスが、思わずクリックしたところ、それはどうやらミスターMが仕掛けた罠だった。

また、自動的に動画が再生された。

今度は、2年前の事件について車内から人を轢き殺している様子を撮影したものであった。

 

いてもたってもいられないホッジスはまた元同僚に会いに警察に行った。

何度も事件について聞かれている元同僚もウンザリした様子で、もう刑事じゃないんだから事件のことは忘れろと冷たく突き放されてしまうホッジス。

監視カメラを購入し、その足で2年前の事件で使われた証拠品であるメルセデスベンツを改めて確認をしに行く。

運転席に座るホッジス。

何か新しい発見がないか?犯人の気持ちになって事件を再現しようとする。

あまりにも苦しい作業であった。

自宅に戻り、先ほど購入した監視カメラをジェロームの助けを借りて設置していると、

楽しげなメロディが流れてくる。

子供たちに大人気のアイス売りの車から流れてくるものであった。

アイスを食べようと言い出すジェロームにお金を渡すホッジス。

ふと庭先に目をやると黄色いテニスボールが落ちている。

また近所の子供達の仕業かとひょいと拾うと、愕然とするホッジス。

そこにはあのスマイルマークが描かれていたのだ。

 

そして。。。

子供達にアイスを渡している愛想のいいスタッフの顔が帽子の陰からはっきりと見えてきた。

そう、そのアイスを売っている男はブレイディだったのである。