クリニックの外来と往診付き添いと、高齢者施設の勤務を交互にする看護師をしています。

高齢者という概念が90オーバーが普通になってきて、70.80はまだ若いと感じます。

現に90歳でも足腰しっかりして独居の方も多い。


でもさすがに、90歳を超えたら、認知機能は低下してきて、物忘れや怒りやすさも出てきます。

それが悲しいことではなくて、神様からの贈り物と感じる場面も多いです。


身体に不具合も出てきて、調べてみたら末期のがんがあったという方もいますが、認知症の影響で痛みや苦しみをさほど感じていないケースがあります。


内向的で言いたいことも言えないタイプだったおばあちゃんが、機嫌の悪い猫のように急に爪を立てて攻撃的になったり、汚い言葉で罵ったりすることもあります。

家族はショックだし、スタッフも嫌な気持ちになりますが、本人はストレスを溜め込まずに済んでるのかスッキリとした顔をしていたりします。


あるおじいちゃんは、散歩してる犬に「嫁はんおんの?」って急に聞いてみたり、何かと警察呼んでるからな!って言って怒ってるかと思ったら、次声かけたら忘れてて「いつもありがとう!」て言うてみたり。


その態度にイライラするスタッフもいますが、角度を変えれば、子供のような無邪気さみたいに感じて私はほのぼのしたりします。


そういう場面、一つ一つに、いちいちこっちもイライラして対応するのか、笑って対応するのかで、空気感が全く異なりますよね。

そういう空気感は伝染力があるので、ピリッとした空気になるのかワハハって笑えて穏やかな空気になるのかは、ある種こちら側の力量が問われてるように思います。


クリニックと掛け持ちしてるからこそ、たまにしか見ない私は楽観的に見れるのかもしれませんが、どうせなら笑って過ごしたらいいのになぁといつも思ってしまいます。


介護ヘルパーさんたちは半分ほどが外国籍で、会話の詳細を理解してないのか、お国柄でニコニコしてるのかわかりませんが、それがいい空気になっていて、無意識のうちに素直な認知症の人たちを暖かく包んでいます。


そんな、あったかい家族のような職場が本当に大好きで、これからも守りたいなと心から思います。