10月5日6日の両日、第36回コミュニティ・ユニオン全国交流集会inおおさかが大阪市のエル・おおさかで開催された。前段でコミュニティ・ユニオン全国ネットワークの第35回全国総会で活動方針、会計報告・予算、役員体制などを確認した後、あんしん財団争議(東京管理職ユニオン)、パタゴニア争議(札幌地域ユニオン)、韓国非正規ネットから特別報告があった。
全体企画では映画『もっと真ん中で』が上映された。在日の女性リ・シネさんがヘイトスピーチに対する損害賠償を求め、最終的に在特会や保守速報の民族差別と女性差別という複合差別が最高裁で認定されるまでの闘いを描いたドキュメンタリー映画である。上映後当該の李さん、李さんと共に闘ってきた民族学校講師のヤン・チョナジャさん、監督のオ・ソヨンさんによる鼎談(トーク)も行われ、撮影過程の裏話なども紹介された。リさんは良い韓国人も悪い韓国人もみんな殺せというヘイトに衝撃を受けて提訴を決意したという。関東大震災後の朝鮮人虐殺に触れて、虐殺者は怒りや憎しみよりも在特会のようににやにや笑いながら殺していたのではないかと思うと恐ろしくなったという。
2日目はハラスメント、フリーランス、賃金など12の分科会討論が行われた。マスメディア戦略の分科会では毎日新聞の東海林記者がホワイトカラー・エグゼンプション(ホワエグ)反対運動の中で過労死遺族会の方々の改憲が大きな影響を与えたことを報告した。このときお昼のワイドショーでもホワエグ問題が取り上げられ、「全業代ゼロ法案」のキャッチコピーで反対世論が広がったことも思い出される。個別紛争の持つ社会性の発信が重要との指摘である。
最後に集約の全体会議が開かれ集会宣言が採択された。また韓国民主労総の仲間が連帯挨拶に起ち、私たちの成果はすべて闘いで勝ち取ったものであり、政権交代で始まった悪政とも闘って引きずりおろす。日本でも労働運動の力で悪政を引き尻降ろすまで共に闘おうと呼びかけた。
全に低終了後のオプション企画として韓国非正規ネットワーク(韓非ネ)との交流会が持たれた。韓非ネ運動12年の成果と課題について報告を受けて討論を行った。現在70の自治体に労働センターが設立されており、公的予算で事業が進められている。行政の予算ではあるが、企画や受託の主体は民主労総などの労働組合や韓非ネ系の民間団体なので、行政からしばりを掛けられる懸念は少ないという。政権交代の影響で保守系の市長の下では市の予算が削減される問題も生じていおり、自治体労働センターが未確立の地域では非正規対策も十分に行われないなどの課題もある。