NHKで開催された教育番組国際コンクール【日本賞】。
私がたまたま目にしたのは、グランプリをとったカナダの番組
【特別授業 差別を知る~カナダ ある小学校の試み】でした。
教室の中で背の高い子と低い子に分けて、最初は背の高い子に
赤いゼッケンをつけさせます。
そして、背の低い子たちに特権を与えたり(背の低い子はソリ遊びを
しても良いとか、授業終了5分前に帰り支度を始めても良いとか)、
「背の高い子は統計的に背の低い子より劣っている」などの情報を
与えます。
すると、背の低い子たちは、背の高い子たちを差別しはじめます。
背の高い子が何か間違いをすると「背が高いからだ」と‥。
そして翌日。
今度は立場が逆になります。
昨日、差別をした子が、今度は逆に差別される側となり、差別される子の
気持ちを知ることになります。
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この番組がグランプリに選ばれるまでに賛否両論、様々な意見が
飛び交いました。
子供時代のこのような体験が、ずっと後までトラウマとなって、
その子を苦しめることもある。
この実験に参加したことで、差別とは何かを身を持って知ることができる。
この実験は学会で禁止されたはずだ。なぜ製作できたのか?
実際に差別やいじめを受ける子は、簡単にゼッケンを脱ぐことはできない。
安易な受け止め方をされないだろうか。
などなど。
グランプリの基準は、子供たちに観せたい番組はどれかを選ぶこと。
最終的に、この実験を今後行うことには反対だけど、この番組を観て
差別とはなんなのか、という議論をするには、とても良い作品だと
いうことでグランプリとなりました。
もうひとつ、接戦だった作品もカナダの放送作家が製作したもの。
こちらはアスペルガー症候群の男の子の日常を撮ったドキュメンタリー。
実はこの放送作家は彼の母親で、彼が日常受けている差別もテーマの
ひとつとして大きなポイントとなっていました。
(残念ながら、こちらは観れなかったので細かい内容はわからず)
他にも、フランスのティーンエイジャーが男女2組に分かれて、それぞれの
目で初体験を語るとか(日本では絶対放送されないだろうな~)、
お国柄を垣間見る作品が多かったようです。
審査員も世界各国、男女、老若男女とさまざまでしたが、やはり文化や
宗教、年代の違いで出てくる意見もさまざま。
差別の問題は子供だけでなく大人にも必要な情報として、この番組が
世界中に発信されるといいな、と思いました。
審査員の一人、アメリカ人の黒人女性は、以前、青い目と茶色の目の色で
差別(区別かな?)する実験番組を、青い目の白人の同僚と一緒に
観たことがある、と話していました。
その後、とても有意義な議論ができた、と。
日本は単一民族のせいか、こういった題材で議論する場は少ないかも
しれません。
でも、障害の有無や、その他、差別の材料はいくらでもあります。
目を背けないで、もっと議論するべき!と思うことがよくあります。
差別とまではいかなくても、日常生活の中でお互いへの理解を
深めるためにも議論は大切だと思うのです。
議論がいつの間にか感情的になり、喧嘩(?)のようになってしまうのは
慣れていないからかなぁ~。。。
人間関係が希薄なのも、熱い議論ができないからかも‥。
こういう番組をキッカケに、たくさんの人と有意義な議論をしてみたい
です