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2003年~2004年。

【保健所勤務:狂犬病予防技術員】-第三章-



保健所勤め2年目の話に行く前に、業務内容とは離れてしまいますが、保健所での日常について

少しお話したいと思います^^


保健所に勤めだしたこの頃。私は趣味の一つでもあった《バンド活動》が最盛期の頃でもありました。

仕事にも慣れ、バンド活動でも軌道に乗り、公私共に充実してきていたある日。

映画《人間の証明》で有名(?)な《ジョー山中》さんのディナーショー前座をやらせて頂けるという

お話がありまして、若い世代にはあまり知られておりませんが^^;年配の方なら喜んで貰えるかも!

と、保健所の上司達に声をかけた事があったんですよw


そしたら所長(医師)から始まり、次長、課長、係長、主幹と…保健所のオールスター(ええっ?!)

皆さん。。。喜んでLIVEに来て下さり。。。^^;楽しいヒトトキを過ごせました…とさ♪


元々、このお役所というところは非常(異状?)に【飲み会】等が多い職場でして^^;

勿論その会費は保健所で働く人達で組合を作り、毎月徴収させて頂いてるものなんですけどね。

(ちなみに最初に書いたLIVEの話はまったく個人的な事でしたので全て自腹で参加して頂きましたw)


酒が飲める飲めるゾ~♪酒が飲めるゾ~♪ …って、何の歌でしたっけ?


まさにその歌の通り。。。|||(-_-;)||||||最低でも3ヶ月に1回ぐらいは【飲み会】がありましたw


しかし…最近の人というのはそういった職場の飲み会にて、飲めない(飲まないw)人が

多いんですよね^^;しかし私は。。。飲み屋上がりですし(∩。∩;)ゞ あとたぶん…

ファザコン気がある人間(爆)でしたのでw おじちゃん(上司w)達と飲むのはだぁ~い好きっ♪

当時23歳。若い女の子が一緒に飲んでくれるということ事態が珍しかったようで、そんなこんなでw

私は上司とめちゃんこ仲良しさんだったんですー(。-∀-) ニヒ♪ 楽しかったなぁ:*:・(*´エ`*)・:*:・


上司との付き合いが上手くいっていると、仕事で何か困った時に親身に相談にのってもらえるし、

助けてももらえ、ストレスが少なく楽しく働く事ができますよね(*^^*)

今の時代の人というのは個人主義の人が多いので、あまり共感はして頂けないかも知れませんが…

私はこの、上司との付き合いというのはとても大事だと思いました。


とはいえ、私は一番下っ端なのでw雑用業務もちゃんとこなしてましたよw

お客様がきたらお茶出し。コピーを頼まれたら率先して走っていき、おじぃちゃん(上司w)達には

PC等の操作説明や世間話に付き合ったりwどれもこれも楽しんでやってました♪


自分の本業と比べたら。。。そりゃあね。。。



さて、それでは…私の本業のお話を始めますか…。


勤務1年目に遭った出来事その①



人里離れた地域で犬や猫の多頭飼育をしている老人がいる。その人がいよいよ老人ホームへと

入れられる事になった。飼育されていた動物はその老人にしかなついておらず、他の者へは

とてつもない狂暴性を示す。何とか保健所で引き取る事はできないだろうか?


こういった相談が入ってきました。


私はもう…【多頭飼育】と聞いた時点で嫌な予感がしていた。


これはきっと…北海道特有のお話なのかも知れませんが、犬の場合5頭。猫の場合10匹。

この数を超えた時点で悲惨な状況が目に浮かびます。

それは北海道の人間が考える合理性(?)そしてこの無駄にあり余っている広大な土地…

ここに原因があると思うんです。


北海道広しと言えども、都市部では皆様きちんと法に従い、マナーある生活を送っております。

しかし、それがひとたび郊外に出ると…犬や猫も家畜と同じ扱い。

それどころか自由気ままに野放しにして、野生化している犬猫も多いのです。

そして勿論避妊手術等も受けさせていないため、自由に繁殖を繰り返し、その数は増えてく一方。


ちゃんと繋いで飼っている人でも法で定められた【狂犬病予防注射】等は受けていない犬が

ほとんどでして、今回相談を受けた所でも案の定…市役所に確認を取ったところ、登録は無しと判明。

そしてそのまま、その犬猫の引き取り手段についての話し合いが行われました。


まず、犬は20頭。猫については正確な数は飼い主でも把握してないのだが恐らく30匹ぐらいだろう…

この数を保健所に搬送するには何往復もしなくてはならない。

相談内容によると狂暴性が強い性格の為、新たな飼い主を探し、譲渡を試みるのは不可。


 それでは。。。 。。。。。。現地にて処分を行う。


保健所の人間が外へ出て処分を行うケースは稀である。

しかし、薬品を取り扱える人間は獣医師と決まっているので、こういった場合は私達も市の職員に

同行して行く事となります。

市の職員(正確には託職員)には猟銃の資格保持者がいます。

対象が危険動物の場合、麻酔銃を使う事になるので、その人にも来て貰います。

しかし、基本は私:狂犬病予防技術員が保定し、パートナーである獣医師が麻酔薬を注射しなくては

なりません。そして搬送要員として市の職員がもう1人。全員で4名構成で現場に向かいました。



現場では…案の定、悲惨な状況…犬には残飯のみ投げ与えられていたような感じ。

そして…辺りには糞尿が散乱し、土と雨水でぐちゃぐちゃになっていて異臭がたちこめていた。


私達はまず。用意してきた餌に錠剤タイプの麻酔薬(ラボナ)を砕いて混入。

それを1頭1頭に与える。しかし警戒している犬達はそれを食べようとはしない。


保健所ではこの日のために吹き矢を購入していた。それに麻酔薬を詰めた注射器をセット。

手近に繋がれていた犬から1頭1頭に吹き矢を放つ。矢が当たり、悲鳴を上げる犬達…

後になった犬は警戒し、奥まった所へと逃げ込んで矢が放てなくなった。

そこで登場するのが麻酔銃。遠く離れた場所へ身を隠してる犬に正確に打ち込まれた。


こうして20頭の犬は全て安楽死(?)処分となった。



この話は私が勤めだしてまだ1~2ヶ月の頃のお話。

人間が押さえ込められる状態の犬では無かった為、私は唖然と見守っているだけでした…。


この日は犬の処分だけで一日が終わってしまった。

薬による処分は麻酔が充分に効くまでに長い時間を要するのだ。



そして数日後、猫の処分に再び現場へと向かった。

猫は家の中で自由に歩き回っていて、更に3Dで移動できる生物だからやっかいだ。。。



自宅に1歩足を踏み入れた途端。。。グチャ。。。 カーペット全体が猫の排泄物で湿っていた。

私と徳川先生(パートナーの獣医)は丁寧に(?)履物を脱いで上がっていたのだが…

それは大失敗でした|||(-_-;)||||||振り返ると市の職員は長靴のままズカズカと入り込んできてる…

さすがに慣れてるなぁ。。。


家の中にいる猫の数は半端無かった。。。(処分後数えてみると40匹以上の遺体があった…)

以前と同じく、ラボナ入りの餌を置き、しばし様子をみる。子猫達はその餌を食べたようだ。

まずはその子猫達の処分から始まった。そして私は皮手袋をはめ、手近な猫から保定を始める。

しかし、1匹捕らえた時点で家の中は大パニックだ。

市の職員が魚とりの要領で網を広げ、猫達を誘導する。それを私が捕らえ、徳川先生が麻酔を打つ。

麻酔を詰める作業が全然追いつかない…。

1/3ぐらいは捕らえれただろうか…猫は本当にすばしっこく、ありとあらゆる場所へと逃げ込むので

捕まえる作業も苦しくなってきた。もちろん麻酔銃なんかは使えず、困難を極める。


この作業は早朝から始まって日が暮れるまで続いた。。。


1匹だけどこから逃げ込んだのか…壁の裏に入り込んでしまい、どうやっても出す事ができず…

相談者に経緯を話し、その1匹だけは処分を免れた。。。


しかし。。。大変な作業でした。。。(これを書いてて酷い偏頭痛と吐き気に襲われました…)



これが最も印象に残っている、仕事の一つです。

その①と書きましたが、長くなってしまったのでこの話だけにしておきます。

私が勤め出してからの1年間に同じような仕事が3回もありました…。

(真冬に膝上の位置まで降り積もった雪を掻き分け、犬を捕獲処分した事が…1番大変でした;)





私の仕事は保健所の臨時職員であります。


この臨時職員制度というのは私の務め出した年、2003年に狂犬病予防法という法律の改正に

よって定められたもので、保健所の臨時職:狂犬病予防技術員という役職は最長で2年間しか

務められなくなったのです。


これまでもお話してきましたが、この【狂犬病予防技術員】の仕事というのはとても大変な仕事です。

なので、こんな短い期間でころころと人を変えても上手くいかない…そう思うんですけどね…。

上司も本庁等にだいぶかけあってくれたようですが…こればっかりはどうにもならなかったようです…。

こればっかり?いいえ…これ以外も何もかもが…法律法律!と…

現場を知らない上の者が勝手に作ったルールに縛られ、それに従う以外の統べは無いのです…


だから・・・



徳川先生はうつ病になってしまったんだ…。




春になると犬猫は繁殖期を迎え、引き取りの数が異状に増えてきます。

その全ては子犬や子猫…秋と比べると倍以上の数になります。

(どうしてこの時期に里親探しのイベントをやってくれないのだろう…)


前記事に書きましたが、私と徳川先生は大の猫好きです。

2人とも保健所から譲り受けた猫を飼っておりました。

その飼い猫にそっくりな猫も保健所に入ってきます…。

しかし、そう何匹も私達が引き取るわけにもいかず…泣く泣く処分する事も何度もありました…。

思えば…この頃から徳川先生の様子が変わってきていた…。


少しお話が逸れますが、昨年の愛護週間をきっかけに地域の新聞記者と仲良くなりまして、

2年目からはその記者の協力もあり、保健所に入った動物達を記事にしてくれて、

譲渡数が一気に上がりました☆マスコミの力は偉大ですね(*'▽'*)♪

しかし…だからといって引き取りの数が減るわけではありません…。



私が勤めだしてから2年目の夏。

この夏が終われば動物愛護週間が始まり、一番忙しくなるという頃…


その2~3ヶ月前頃から徳川先生と係長はほとんど自分の席に居なかった。。。

それは水質調査の仕事関係からやっかいなクレーマーが現れ、連日小会議室にて

話し合いに縛られっぱなしだったから。。。


勤務終了の時刻をだいぶ過ぎ、ようやく席に戻ってくる二人。。。

先生の顔は日に日に青ざめ、生気を失っていっていた。。。



そんな事がしばらく続いていたある日。徳川先生の奥様が休職届けを出しに来た。。。



私の悪夢はここから始まったんです。。。



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