動物関係のお仕事①
1998年2月~帯広競馬場にて
【ばんえい競馬の厩務員というお仕事】
そもそも…私が【動物看護士】を目指し始めたのは、ばんえい競馬の厩務員になってからでした。
私は子供の時から動物が大好きだったのですが、それはあくまでも小動物のお話で…
実際に馬と触れ合う機会なんて普通に暮らしてる限り、そうそう滅多に無い事だと思います。
それがどうして突然厩務員に?!その理由は自分史1998年~にも書いてあるのですが…
その当時、お付き合いしていた人が、ばんえい競馬の厩務員&馬主をやっていたからでした。
当時の私は18歳。彼は22歳。若いのに…とてもしっかりした人でした。
その彼に初めて競馬場内の厩舎へと案内された時、大の男の人が二人がかりで馬を引いていて…
引かれているその馬はとても大きく…まるでゴジラ?!特撮映画でも見てるような感覚になりましてw
初めて見た馬の…その体の大きさにはとても衝撃を受けた事を今でもはっきり覚えています。
競馬場内に入るようになってしばらく私は…遠くからその光景を眺めてるだけだったのですが、
ある日、カルシウムの点滴をするので点滴バッグを持っていて欲しいと…お手伝いの要請がありました。
それを受け入れた私は恐る恐る馬に近づき…観察を始めます。
その大きな大きな顔の、とても優しそうな澄んだ瞳を覗き込むと…
そこには一粒の涙が… !
『そうか…お前も注射が痛いんだね^^;』 (ちなみに私も注射が大嫌いwww)
当たり前の事ですが…いくら大きいとはいえ馬も生き物です。
人間と同じように痛みも感じるし、様々な感情・表情だってあります。
そんな当たり前の事に初めて気付いた時…私はその瞬間からすっかり馬の虜となっておりました(*^^*)
これが私の(馬の)動物看護士さん!を目指し始めた発端です☆
さて☆ここで少し…【ばんえい競馬】について説明を致しましょう。
ばんえい競馬とは北海道が主催の地方競馬でして(現在はソフトバンク所有?個人競馬??)
騎手と重りを乗せた鉄ソリを引き、200mのダートコース上にある2つの山(障害)を乗り越え、
ソリの後端がゴールラインを超えた順番に順位が決まるという競馬レースです。
馬は一般的なサラブレットとは違い、重種に分類されるペルシュロンやブルトン、ベルジャンの血統で、
その馬体重は1トン前後もあるんです。(普通のサラブレットの2~3倍の馬体重になります。)
そして、重さ460kg(+積載重量)以上もある鉄ソリを、楽々引いて歩く力持ち☆p(*'へ'*)q
そんな大きくて力自慢のお馬さんを、非力な人間が毎日毎日お世話をし、
調教(訓練)してレースに向けて仕上げる☆それが厩務員のお仕事なのです^^
厩務員とは普段、競馬場内にある馬房の傍に作られた仮設住宅で生活をしております。
当初の頃私は、厩務員業務の他に別の仕事をしていたため、競馬場には毎日通いで働いてました。
競馬場に戻るのは毎晩、仕事を終えた後の午前2時頃。
早い人(ご年配の人)はその頃(真夜中w)にはすでにお仕事を始めてる人もいましたが、
私はそこで一旦就寝ですwそして朝6時に起きて、馬の世話を始めます。
若い頃って…なんであんなに朝に弱かったんでしょうね^^;
自分が寝起きしてた場所は厩舎の二階にあるワンルームのお部屋でしたが…
…毎朝同じ厩舎の人達に物干し竿等で窓を小突かれ起こされておりましたw|||(-_-;)||||||
朝起きて一番にする事は、馬を馬房から出して繋ぎ場に連れて行く事。
その後馬房の掃除をして、餌の準備をしてから馬の所へ戻り、軽く手入れして運動場へ。
だったかな?順番はよく覚えてないw(ダメぢゃん)
この馬の運動というのが…今でもかなり思い出深いお話でwとても大変でしたw
それは馬の運動初体験時の話。
まだ馬房の掃除ぐらいしかできなかった私に、その日は突然訪れましたw
『お~いミル~!こいつ運動に連れてけ~!』
と、厩舎の男の人全員に囲まれてる、鉄ソリが装着された大きな馬をイキナリ任されたんです。
私はヤッター☆と、元気にw何も知らずに…ソリに乗り、馬を運動場の方向へ歩かせ始めました。
彼が慌てて追いかけてきて『おいおい(汗)1人で大丈夫か?こんな馬…』と酷く心配している様子。
私は『ヘーキヘーキ♪』と、構わず…彼を置いて馬を進めましたw
馬の運動とは運動場に入って、トラック3周ぐらいさせて戻るんですが1週目。
順調順調♪って… … …えっ?
運動場の出入り口が近くなると、馬が突然!!その出入り口めがけて暴走し始めたんですっ!?
ええええええええーっ!!!!待って待って!!!やヴぁいやヴぁい!!!!
私は全体重をかけて、必死に引き綱を引き、再度トラックの方向へと馬を向かせる。。。
な・・なんとか助かった・・・・(@Д@; アセアセ・・・
爆走中、馬の蹴り上げた泥で全身ドロドロですwww
しかし危なかった。。。
これまで彼の馬にちょくちょく着いて行ってはいたのですが、こんな風になった事はありませんw
きっと私は、このお馬ちゃんにナメられてるのであろぉ。。。(;一一)
顔のドロを拭い、気合を入れ直した私。
2週目からは覚悟してましたw
出入り口が近くなったら立ち上がり全体重かけて引き綱を引く。
馬もそれに反抗しようとしてたけどさすがに無理だと諦めたらしぃw
3周目。馬の速度を落として落ち着いて、ゆっくりと出入り口へ。
だけど馬はようやく厩舎に帰れる事が嬉しいらしく、まるでスキップでもしてるような足取りで
コントロールする事が本当に難しいw
それでも何とか…w 無事、厩舎まで戻る事はできましたけど(;´▽`A``
一度だけ…出入り口のコース脇に並んでるタイヤに乗り上げるという…
いわゆる脱輪をしてしまったという事はナイショの方向でw
初仕事を終え、厩舎に戻ると全員集ってお出迎えしてくれました。
『お~良く無事で帰って来れたなぁ~www』
って…( ゚ ▽ ゚ ;)ハッ?
実はこの牡馬(ぼばと読む。♀は牝馬(ひんば)ねw)…
ベテランの大男でも手を余す程の暴れ馬だったそうで。。。
以前、調教師(厩舎で一番偉い人w熟年者)が運動してる時も同じように暴れ出し、
ソリから振り落とされた為、馬はそのまま暴走し、自分の厩舎まで一直線!!
そしてその間にあった障害物(調教師の高級外車トカw)もそのまま鉄ソリごと乗り越え…
というか、蹴散らしw?自分の厩舎に戻って行ったそうで(・"・;)つまり前科モノだったわけで…
最初はみんな…冗談で私に運動してこい!と言ってたようですが、あまりにも馬が大人しく
私に従っているのを見て、これはひょっとしてイケルかも…w
なんて^^;安易な考えで押し付けたそーですよっ!w まったく…驚きましたよ。ぇぇ
そんな事・・・何も知らない(恐いもの知らずの)素人だからこそ!成し遂げる事ができた脅威w
てか…知ってたらこんな危険な馬、絶対近づかないよぉ~っ!!ヾ(≧□≦)ノ
死んでも手綱放さなくて良かったε- (´。`*) ホッw
だって高級外車の弁償とか…Σ(|||▽||| )アリエナィ。。。
馬主は皆様お金持ちなので…そこらじゅうにベンツやジャガー等がゴロゴロありましたから…。
と、まぁ…長くなりましたが運動はこんな感じでw毎日楽しく(?)行われております(*´艸`)クスクス
運動が終わると再び外の繋ぎ場に連れて行き、水を与え、汗で塩噴いた馬体をキレイに
手入れしてやります。 そして清潔になった馬房に戻して、朝のお仕事はひとまず終了♪
6時から初めて9~10時頃には終わるカナ?
次はお昼の12時から。
馬にお昼ご飯をあげるまでは暇があるので買い物行ったりパチンコ行ったりw
自由に出かけていた時間帯でした☆
12時に餌やりに戻った後は、また2時までお休み(お昼寝)♪
この時同じ厩舎の人に自分の担当馬の餌だけ頼んで、夕方まで遠出してきたりとかよくしてました☆
同じ厩舎の人達はとても良い人達で^^その人達に助けられ私は本当に恵まれた環境におりました^^
午後からは主に、馬の細かいケアが仕事です。
チャツって言ってたかな?ちょっとした運動場(囲い)の中に放牧して異状が無いか様子を見ます。
定期的に同じ競馬場内にある、蹄鉄所や獣医に連れて行って、馬の健康状態をチェックします。
そして、朝より丁寧な手入れを行ったり、馬それぞれの気性を考慮し、調教(訓練)を行います。
あとは引き綱だけつけた裸馬にタテガミを掴んで飛び乗り、乗り運動をさせたりしておりました。
夕方五時頃になると業務終了。
余談ですがw1週間の内、その半分ぐらいは厩舎の人達と外で焼肉パーティーをしてましたw
炭が熾きて肉(ばばホルモンというのを食べていたw)が焼けた頃、馬を馬房に戻し夕食タイムです♪
その後は8時の餌やりまで自由時間なので、焼肉しながら飲んで騒いでるも良し、
お風呂に行ったりパチンコとかwどこか外へと出かけたり、部屋でくつろいだり。
競馬場の中にはさっき書いた蹄鉄所や獣医から始まって、ちょっとしたスーパーとか。
大衆食堂や大衆浴場等もあって、一つの小さな町のようになっていたので、
外に出なくても生活には困りませんw
しかし建物はどれも古いし汚いしwどこにいっても知った顔ばかりですから^^;
普段は…時間があれば競馬場の外に出てる事(特にお風呂入りに…)の方が多かったけどね。
でも、レース開催前日から開催期間(週末)は競馬場の外に出る事ができなくなる為、
普段は外の温泉等に通っていたものの…週末ばかりは仕方なく大衆浴場へと行ってましたw
(大衆浴場は汚いし、熱いしぬるいしwシャワーも無くて・・・嫌な場所でした^^;)
レースが始まると、いつもの業務に加え、自分の担当馬が出走するとなると色々大変です!
馬は普段以上に念入りに手入れし、鬣を三つ編にしてお洒落させたりw蹄にマニキュアしたりw
レース前に気合入れる為、鞭を入れたり…(私は恐くてできませんでしたが…)
普段とは違う緊張感が高まっておりました。
レース直前には厩務員も専用の黄色い服とヘルメットをかぶりw長靴を履いて^^;
馬をパドックへと連れて行き、お客様達にお披露目をします♪
その後スタートゲートまで連れて行って鉄ソリを装着。ゲートが開く直前まで馬についてたりします。
その後が大変w
馬が走り出すと同時に、自分の馬に合わせてコース脇を厩務員も走りますw
(馬に何か異変が起きたらすぐに駆けつけれるように)
深い砂(ダートコース)の上を長靴で走るのってものすごく体力を使うんですよ(;´▽`A``
レースはゆっくりしてるイメージが強いのですが、意外と全力で走らないと追いつけないぐらいの
スピードはありますので…無事、自分の馬がゴールした頃には厩務員もヘトヘトになってますwww
ゴールするとすぐさま鉄ソリを外し、馬を厩舎へ戻します。
これがレース中の主な作業かな?
レースに出た馬にはご褒美としてニンジンやスイカを与えたりしてました☆
この時の馬の嬉しそうな表情がたまりませんね♪ヾ(≧▽≦)ノ
よしよし☆良く頑張ったね☆エライエライ☆例え負けても…思いっきり褒めてやります☆
そしてまた次のレースも…一緒に頑張ろうねp(*^-^*)q と☆
以上!まぁ…ザッと書きましたが、厩務員のお仕事とはこんな感じです☆
思い返すと…私的にはけっこー楽な(?!)お仕事だったと思いましたw
(ちなみに普通(サラブレット)の競馬場厩務員になるには専門学校を卒業する必要があります。)
けど、やっぱり動物相手の業務は年中無休。休めませんから…
自分の健康管理も大切ですし、仲間とのコミニュケーションも充分に深めておく必要がありましたね。
そして、1トンもの体重がある馬相手ですからね…いつも危険と背中合わせです。
ちょっと踏まれただけで複雑骨折になるとか…そんな事は日常茶飯事でした…。
更に…一生懸命お世話した馬も、レースに出せるかどうかを見極める試験に落ちたり、
馬自身が不慮で怪我をしてしまったりすると…その後すぐに悲しいお別れが待っております…。
でもやっぱり…大好きな馬と毎日過ごせる幸せや喜び☆
文字じゃ伝えきれませんが、素晴らしい経験ができたと思います(*^^*)
皆様も競馬場にお越しの際は、その背景に居る厩務員の想い等も考えつつ。。。w
レースを楽しんでいって頂ければ幸いに思います(*^^*ゞ
この後、私は(彼)馬主の元、重種馬の繁殖農家へと嫁ぎそこでも様々な経験を積みましたが…
メインは肉牛…。そして農作物に携わるお仕事がほとんどでしたので、このお話はここでお終いです^^;
次回はこの2年後。小動物病院に初勤務! のお話へと繋がります☆
ここまで読んで下さった皆様に感謝(*_ _)人