「真昼の花」と「地上八階の海」の二つの短編が綴られています。
どちらも孤独と空虚な心の闇が描かれた作品です。
「真昼の花」は母を亡くし独りとなった私は、現実から逃避して、兄を追い東南アジアへバックパッカーの旅へ出ます。
立ち寄った先でお金を騙し取られ、それでも私は帰りません。
オオバに電話を掛け、郵便局留めでお金を小包で送ってくれと頼みます。
家にも電話を掛け、鳴り続ける電話機、誰も出るはずのない電話機を思い浮かべ、家の中の様子を思い出します。
オオバと誰も電話にでない自宅が唯一の現実との架けはしです。
売れるものは売り、空腹で、落としてもらう金を待って佇み、いったい何がしたいのか、どうしてここにいるのか私は分からなくなります。
小包が届き、お金の心配がなくなると、意味もなく街をふらつきます。
安宿の部屋をシェアしていたアキオが島へ旅立つと、その後をゆっくりと追いました。
私は時々自宅へ電話を掛けます、兄が出るんじゃないかと期待して。
アキオは島へ渡る船の出る村で病気で床についていました。
アキオはやせ細り死にそうに弱り、その姿に私は、旅から帰らぬ兄の姿を重ねたのでした。
私には帰る場所がなく孤独なんだと・・・
「地上八階の海」ははってきり言ってよくわからないです。
多分こうなのかな?
よそよそしいぎくしゃくした母子関係しか築けなかったため、何にでも淡白な私は他の人と濃密な関係を築けない。
仕事も一人なら、興味をそそられるのも廃墟となった団地であったり。
家族がいても心は孤独。
普通であるようでいかれてる、自分が人とまっとうに向き合える人間ではないことに気付いたって事なんじゃないのかな?
なんだか、モヤモヤする作品。
後味悪いです。